山口民医連 理事会挨拶 2025.8.27
記録破りの暑さと豪雨が各地で続く8月となりました。
山口県西部も線状降水帯を経験し、上宇部クリニック、上宇部あおば薬局が床上浸水という被害を生じました。
こうした気候変化は、さらに規模を拡大しながら、今後続くと予想されるので、対策を積み重ねていく必要があります。
一方、医療介護機関の事業と経営が危機に瀕し、地域医療も崩壊に直面していることから医療供給サイドからの動きが強くなっています。日本医師会と6病院団体は2024年度診療報酬改定後の経営悪化が著しい、例えば8月20日の全国自治体病院協議会の声明では、2024年度経常収支が赤字の病院が約9割におよび過去最悪、ということで、2026年改定はもとより、今すぐの期中改定も求めており、民医連も当面最大の課題として「緊急行動」を続けています。
山口民医連は少し出遅れましたが、明日から県への要請行動他、アイデアを絞って運動していこうと考えています。
日本医師会と6病院団体は、経営悪化の原因を物価高騰、人件費上昇、最新技術に応えていない診療報酬だとして運動していますが、それはやや表面的な気がします。
本当の原因は、一つには2015年から2025年までの旧地域医療構想で激しく病床削減と入院日数制限が進んだことにあると思えます。2015年当時で見れば、病床は当時の123万床から152万床に増える見込みだったのですが、実際には旧地域医療構想で119万床にされました。旧地域医療構想が地域医療をずたずたにしたと言えます。
病院が病床削減を決意するのは、一つには看護師不足です。看護・介護従事者の低賃金・低待遇がそれを生んでいます。それは病院の経営努力不足ではなく、政治の不作為です。
つまり故意に、看護師不足を病床数削減に使っていると言えます。
もう一つは病床利用率の低下です。激しい病床削減にもかかわらずかなりの病院が利用率低下に悩んでいるところから考えれば、病床削減を上回る勢いで、国民の経済状態が悪化し受診抑制が進んだことが、もっと深い原因として存在することがうかがえます。
このことは、経済状態の悪化から生じる国民健康状態の悪化が深刻になっていることも意味するので、医療機関の危機つまり医療機関から国民に提供するサービスの減少の持つ意味は更に大きいと言えるかもしれません。
いま、政府では2040年を見据えた新しい地域医療構想の策定準備が進められていますが、若手医師数の減少が著しい山口県ではそんなことを構想する前に地域医療自体がなくなってしまうと思います。
現に宇部協立病院も救急告示病院として夜間休日の2次救急を引き受けていますが、その背景となる休日夜間の日当直体制を常勤医で組むことができず、8月で見ると39単位/45単位、87%が外部医師によるものでした。その半分以上が業者紹介によるものです。
今後、毎日二次救急を引き受ける急性期拠点病院と、毎日高齢者救急を引き受ける中小病医院とに役割分担が進むことも予想されますが、それぞれにその実力はなく、その役割が担えるかどうかも難しいところだと思えます。
ここから後退しないために、医療機関と県民・住民が力を合わせる必要があることはいくら強調しても足りないと思います。
できれば山口県の医療を守る県民集会や、県民会議結成なども視野に入れながら秋の闘いを展開していきます
理事の皆さんもそれぞれの持ち場で奮闘していただくことをお願いして、今回のご挨拶といたします。
なお、資料として「非営利・協同総合研究所 いのちとくらし」の研究所報 2025年8月号に、私の連載の最終回が掲載されたので添付しました。参考にしてください。
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