深夜の遭遇
深夜に自転車で帰宅していると、数メートル先の歩道の暗い中に何かが平べったく蹲(うず)くまっている。
車道ではねられた動物が置かれていたら嫌だなぁと迂回するように横を通り過ぎるとうつ伏せに寝ている小柄な女性だった。中学生に見えた。驚いて声が出る。通り過ぎて自転車を降り、少し遠くから声をかけると「うっ」と唸る。声をかけるたびに「うっ」というだけ。
近づきライトを当ててみると中学生ではなく成人だった。寒の戻りで寒く、震えている。「どこに行く途中ですか」と訊くと「あの世」というのが聞こえた。外傷はない。
警察に電話すると警官が着くまで一緒にいてくれという。
まもなく2台パトカーが来て数人の警官が降りる。一人は顔なじみだったようだ。「なんでここに」と言っている。
そこまで付き合って帰宅した。
その後の問い合わせもなく事件にはならなかったようだが、深夜の国道沿いの歩道は怖いものである。
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