東洋経済のマイケル・サンデルインタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=xtc6oa5o6gA
サンデルのこのインタビューは、アメリカの民主党だけでなく、日本の左派にも復活の道筋を示す良いものになっていると思う。必要なのは高学歴層からの、ブランド大学を卒業することのなかった労働者階級、とりわけエッセンシャル・ワーカーに対する敬意と尊重の初心なのである。
左派の医師にとってもこれは当てはまる。内輪のテクニカルな話題で盛り上がり、キャリア形成に余念のないスマートな青年医師たちにも少しは考えてほしい。
気づけば足元は掘り崩されている。誰も左派の味方ではない。
たとえば看護師集団、医療技術者集団の上層に全く左派がいなくなっていることなど気づいているだろうか。
左派の医師と経営幹部はエッセンシャル・ワーカーにきちんと敬意と尊重を捧げて味方にしようとしてきただろうか?
自分たちをエッセンシャル・ワーカーに含めてしまうことでこの問題を蔑ろにしなかったか?
そもそも、それは何らかの手段(マニューバー)というより、左派の医師の存在理由に深くつながった態度なのである。
民医連が「ケアの倫理」を唱えているのも、突き詰めて言えば、医師層や経営幹部層が、看護師、看護助手、医療技術者、介護士、一般医療事務員、清掃員たちに敬意を表し、平等性を達成するということにほかならない。最初の関門は、ケア・ワーカーの倫理でなく、医師の倫理なのである。
そのために医師は患者との平等を特徴とする家庭医療学を学び、それを組織論に拡張しなければならない。
左派が内輪もめする要素を減らさないといけない。脱成長論の安易な否定、性自認をそのまま性別の制度化につなげることへの支持、買春容認に向かうセックス・ワーカー論への支持、これらについての自由な議論を抑圧する権威主義的態度などが大きな障壁になっている。
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