死体を想像する
谷間に人を焼く臭いがこもり、夜には山の斜面から野犬の群れが降りて来た、と川本さんは言った。同学年だから、それは彼にとっても伝聞だが、そう聞くと初めて、目の前の己斐小学校の1945年の夏の校庭に並べられた死体を想像できた。
今夜、小説を読む。死体の顔に降った雪片は溶けなかった。生きた人の顔に降る雪はすぐに溶けるのに、と書かれたところを読むと、ようやく済州島の中山間部の国民学校の1948年の校庭に積み重ねられた死体を想像できた。
2024年6月8日の死体はどんな風に置かれているのだろう。
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