概観
2010年代の民医連が必死に吸収し合流しようとしたのは、健康の社会的決定要因SDHの発見によって深められた「公正としての正義」論だった。
それは以下の図が要領良く示しているものである。
これに対し2020年代になって急に存在感を増し民医連の理念全体を問い直すことを迫ったものが「ケアの倫理」である。
これはフランス革命から始まるフェミニズム運動240年の結晶ともいうべき理念だった。
これと正義との関係は、下の図の若い女と老婆のだまし絵のようなものである。
同じ現実を見ていても、女性差別という視点を導入するとすべてが変わって見える。
今後予想される家庭医療学との合流は、大きなフェミニズムとの合流の中での一構成部分に当たるものになるだろう。
しかし、その後、より真剣に合流が求められるものが、「災害コミュニズム」である。
ある意味、100年ぶりに民医連はコミュニズムに回帰していくのである。


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