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2024年5月14日 (火)

岡野八代『ケアの倫理ーフェミニズムの政治思想』岩波新書

岡野八代『ケアの倫理ーフェミニズムの政治思想』岩波新書を読み終えた。

何よりキャロル・ギリガン『もう一つの声でー心理学の理論とケアの倫理』風行社とエヴァ・フェダー・キティ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』白澤社という、この分野の代表的な2つの書物の丁寧な手引書として役に立つ。

どうしても乗り越えられない能力差や障害に正面から臨むことで、能力主義・自己責任論から私達がどうやって真に脱することができるかが示されるのがありがたい。それはロールズやセンが築いてきた正義論とケアの倫理を、あたかも、一瞬で相を変えるだまし絵のように融合させることなのである。

「ケアの倫理」が「一次」や「二次」や「マルクス主義的」という形容詞の不要な、つまりフェミニズムの結晶のような存在であるという主張もよく理解できる。

実は、そのことは僕が五里霧中で「ケアの倫理」を勉強し始めて、ある時、急にわかって、以来見通しがすっと良くなったことなのである。民医連にとっては、民医連理念とフェミニズムの「合流」の名前が「ケアの倫理」なのである。


























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