1月も終わろうとするころに、新年の挨拶をごく内輪向けに書いてみる
遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。
元旦午後に突然襲った能登半島地震の甚大な被害が日々拡大しながら、今日に至るまで支援が遅々として進まないことに心が痛みます。山口県もその中に含まれる人口減少過疎地域に生じた災害の対処困難さを考えさせる典型例としても、まさに自らのことと捉えて注目して行きたいと思います。災害において人口減少の過疎地域が切り捨てられるという前例にならないことを切に願うものです。
地域福祉室は2021年11月にスタートして満2年を経過しましたが、アウトリーチと伴走的支援に特化した部署として十二分に存在意義を示しえたと思います。独自の「友の会」もできて、生活困難者の当事者運動と一体化する側面も備えつつあります。若手職員、医学生、看護学生、福祉学生が社会の実態に生で触れることのできる貴重な教育の場とする点でも準備が進んでいます。
患者・利用者の生活支援はすべての医療・介護活動の土台として、貧困・格差・孤独の深刻化、社会保障削減政策の進む中でますます重要となっています。生活と健康を守る会、働くもののいのちと暮らしを守る山口センターなどの外部の諸団体や、県連内各部署との協力を深めて前進したいと思います。
それらの点で今年は一層の飛躍が必要な年となりますので、職員・組合員のみなさんのご協力を心からお願いするものです。
さらに個人や世帯の支援を超えて、地域の抱える脆弱性そのものにアプローチするコミュニティ・ソーシャル・ワークは「地域共生社会」の幹となるものです。地域共生社会について国の政策が掛け声だけに終わっている現在、私たちにこそその実現が委ねられているものと捉えて、そのためにも必要な「地域主権」やFEC自給圏の実現にむけ大胆な構想力を養いたいとも考えています。
私個人としては、民医連に先行する鎌倉時代の僧 忍性(にんしょう)や明治時代の医師 大石誠之助の事蹟など歴史的な探求と合わせて、未来を指し示す「ケアの倫理」と民医連の合流、さらに「自然と人間の共存を切り拓く新しいマルクス主義」と民医連の合流などの検討を新たに始めたいと考えています。どのようなものになるか、まだ見当がつかないところですが、少しばかりご期待いただきたいと存じます。
地域福祉戦略部長 野田浩夫
| 固定リンク
コメント