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2023年11月 2日 (木)

「『地域主権』を守る病院と医師連合」

昨夜は、医学生対策の話題で島根民医連の鈴木健太郎医師の話をリモートで聞いた。

若い頃、県連会長会議などでよくご一緒した鈴木正典先生の子どもさんである。鈴木正典先生は認知症治療の「回想法」で有名になられたが、僕にとっては会議後の宴会で電気チェロを弾く変わった先輩だった。

さて、20年も前だが、僕は「『総合診療』を掲げて、山口県の医療を一つに結びつける、病院横断チームを作ろう、それが衰退する山口の医療を守る唯一の方法だ」と思って基幹病院の院長に説いて回っていたことがある。
弱点は自分が総合診療の専門家ではないところにあったから、有名な総合診療医の講演会も山口県保険医協会を拠点に連続して開いていた。NHKの番組よりも早かった。

県立中央病院では、おそらく暇にして話し相手を求めていた院長に捕まって「君みたいなのがいるから、必要な専門家が山口県に残らない。馬鹿なことを言って歩くんじゃない」と1時間以上お説教された。病院に患者が待っているからと言ってようやく逃げ出した。

結局それは実らなかったし、山口大学病院に新しい総合診療部が設置されるのはそのずっとあとである。

その点、隣の島根県は素晴らしい。家庭医療の専門家が中心になって島根県全県挙げて島根で医師を育て島根に医師を残すためのよくまとまったチームが出来上がっている。
いつかの雑誌「総合診療」が島根県の勤務医によって作られたように、カリスマ医師に頼るのでなく、ごく近所のなんでもない病院が、動画で診断技術を公開できるような立派な医療機関にそれぞれなっている。

では山口県でそれが実現できるか?
おそらく無理なので、僕は別のプランを考えている。

種明かしをするのが早すぎるが、「『地域主権』を守る病院と医師連合」がそれである。

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