大石誠之助を描く2作品
1910年の大冤罪事件である「大逆事件」で死刑になった大石 誠之助(おおいし せいのすけ、1867 - 1910、社会主義者・キリスト者、医師)を描いた長編小説には 芸術院会員 辻原登『許されざる者』集英社文庫と柳広司『太平洋食堂』小学館文庫がある。前者はフィクション化が強く死刑は描かず、主人公をアメリカに移住させているが、後者は実名で描き、死刑場面まで追っている。
柳広司には山之口貘と瀬長亀次郎を実名で主人公にした『南風(まぜ)に乗る』という作品もあって、これは最近話題となった。
引用の写真は柳『太平洋食堂』から。ここに語られる大石の心情は多くの民医連職員と共通のものだろう。
民医連の先行者とも言える人物なので、どちらも読まれるといいと思う。
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