省察的実践者
ケアの実践者が専門家として自己を確立し、高い評価を得るための道筋はどのようなものであるだろうか。言い換えると「ケアの倫理」の実践とはどういうものとして発展していくのか、つまり「伴走的に支援する」ためにはどうすればいいのかを考えるのに、佐藤学の30年前の論文が役に立ちそうである。
https://l.facebook.com/l.php?u=https%3A%2F%2Fwww.jstage.jst.go.jp%2Farticle%2Fkyoiku1932%2F63%2F3%2F63_3_278%2F_pdf%3Ffbclid%3DIwAR3h5Hf64bztAGaAHGP0D7TgtZRUYsNbSnohgmRYGy84g-_g5ghfZMSVr9U&h=AT24LbWo5W0SDZTELuBwN-S5OdVXlV2cOkC9lnbyGazgMEEvb6FM151KtEjMsjL5V4LquhxoWp_HLWHCCPqofO6C1z74cWhF3tgChyI3auTzbGEeUeB-5zNGnsbixBFrLrbJ&__tn__=-UK-R&c[0]=AT2AFUSwiDJ-81siVPTlLhGQYPcJd3-_PeWQxOdjQx6aMCSp7gsCw7zWGaaS6we6WhE7UslXUBJqyJzpsDsmor1WZ6O-BrqR4azFP-3niP3e17mgGlfnBpDR0SE3qffwJDSg_tUBlJ2i3COflF5iABckCn6RYf7PrntQSnY3xZzQa_VYe1IJ
『専門家の実践には
モ デルⅠ: 専 門家が個 人 として クライアン トの抱 える問題 に対 し専 門的知識や科学的技術を合理的に適用 す る実 践
モデルⅡ: 専 門家が,同 僚 と協 同 しク ライア ン トとも協同関係 を築い て,複 雑 な文脈の中で問題 を探索 し学び合 って 解 決 す る実 践
の2種がある』
・・・「孤高の医師」はモデルⅠで、ケアの倫理の専門家はモデルⅡである。
民医連の理念に関連させれば、「共同の営み」論(莇)はモデルⅡに近いものを含んでいる。
『ショーンによるとモ デ ルIIの 専 門家は 「対 人的 な基 礎(interpersonal ground)」 に立 って 実 践 を遂 行 して い る ので あ り,「 内 的 な コ ミ ッ トメ ント(internal commitment)」 を共 有 し協 同 で 参 加 して,問 題 の省 察 だ け で な く 自己 自 身 の 省 察 も展 開 す る「二 重 の 学 習(double-loop learning)」 を推 進 して いる。
古 代 ギ リシ ャ以 来 の 「理 論=観 照 」 とい う通念 に対 して、 「高 度 の 省察 」 は 「活 動 過程 にお けるreflection in action)」と して遂 行 され て い る 」とされる』
つまり
『「 理 論 」 と 「実 践 」 の二 元 論 が克服され,科 学 的 な 理 論 や 技 術の合 理 的 適 用 と して 実践 を定 義 して い た 「技術 的合 理性」の原 理 も,「 活 動 過 程 にお け る省 察Jと い う実 践 的 認 識論 にお い て 否定される。理 論 は,実 践 過程 を外 か ら統制 し基礎 づ け る ので は な く,実 践 す る 主 体 の 思 考 と行 為 の 「枠 組 み(frame)」 と して機 能 す る 。「理論 の実 践 化(theory into practice)」 か ら 「実 践の 中 の理 論(theory in practice)」 へ の転 換 で あ る。』
『子どもが粘土 を手にして遊びなが ら作品のイメージを形成 し,制 作 活動 を通 して絶 えず問題が洞察 され解決 されるように,「素材 との対話(conversation with material)」 が実践 的認識の中核的 な過程を構成す る』
『シ ョーンが1983年 に著 した 『反省 的実践家一専 門家 はどう思考 しているか』は,専 門家の実践 にパ ラダイムの転換 を迫る ものとなった』
『ショーンは「技術的熟達者(technical expert)」 に替わって,「活動過程 における省察」を基礎 とする 「反省的実践家(reflective practitioner)」と して表現 される新 しい専 門家像 を提起 した』
『近代 主義的 な 「技術 的熟達者」 としての専 門家 は,今 日いたるところで破綻 している。複 雑 な社会の 中で クライエ ントの抱える問題は複合的で総合 的で あ り 「泥沼」の ような状況にお
いて生 じてい る.細 分化 された専 門領域 に身を閉 ざす「技術 的熟達者」 としての専門家は,泥 沼で あえ ぐクライエ ン トの苦 しみを山頂か ら眺め るだけで,何 ら現実的な問題 の解決 に貢献 す る ことはで きな くなって いる。それに対し.「反省的実践家」 は 「状況 との対話(conveysation with situation)」 を通 して,経 験 で培 われた「暗黙知」(M.ポ ラニー)を 駆使 して問題 を名づ け構成し直す思考(framing and reframing)を 展開 し,クライエ ン トと対等 な関係 を築いて問題の解決へ と向かっている』
『子どもと教師の双方 が 「活動過程 における省察」を推進し、物 語(narrative)で結ばれて育 ち合 う。』
『こ の 「創造 的な技 法」 は講義 や授業の様式 では教 えるこ とがで きない 。教 えるこ と(teaching.)を 通 してではな く、コ ーチするこ と(coaching)を 通 して獲得 される』
『そ の本質的な要件は 「子 どもの思 考や行動 に合理的根拠 を見いだすこと(give kid a reason)」と,教 師たちが相互 に 「反省的批評(reflective supervision)」 を交流 し合 うことの二つ にあ る』
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