「贈与と互酬」と「ケアの倫理」
女性が政治の場から排除され家事労働や家族の世話を押し付けられる中で、発達させてきたものの考え方や行動様式がある。人と人の関わりを大切にして、相互援助(贈与と互酬)を基本にした生き方と言ってもよい。最近では女同士の助け合いsisterhood として描かれることも多い。これが「ケアの倫理」というもので、男女を問わず社会の基礎となる規範、より深く研究され学ばれて人類全体のものとすべきものである。
この際に女性差別を「ケアの倫理」と引き換えの形で肯定することなく、女性差別の解消とともに新たな倫理規範として確立して行くことが重要である。
ジェンダー差別解消とは、女性の政治・社会地位の平等を求める「正義の倫理」の発展だけでなく、女性が歴史の中で育ててきた孤独をなくし平等に生きるための「ケアの倫理」の共有ということである。
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