2022年12月28日 山口民医連理事会挨拶
年末で慌ただしい中、そして新型コロナが職場にもかってなく蔓延し不安が広がっているなかでの夜間の会議参加ご苦労様です。
この間、岸田内閣は驚くべきことを2つ、国会に諮ることもなく決定しています。
一つは原発の再稼働、廃炉予定原発の建て替え、原発の運転期間の60年超えの方針です。
もう一つは、現状GDP(国内総生産)の1%とされている防衛費を2%に向けて段階的に増やし、2023年度から2027年度までの防衛費の総額は43兆円、2027年度以降は1年で11兆円にするという方針です。
どちらも、正気とは思えない幻覚のような話で実行すれば国家、国土の破綻に直結するものです。
これに対し12月18日のTV番組 サンデーモーニングで姜尚中氏が「数兆円かけて国土を災害に対して強靱化する。すべての住宅も耐震化する。それでゼネコンの景気も良くなるし、地方の経済も活性化する。そのことを子どもの援助にもしっかりと結びつけていく。今なすべきことはそのことなのに防衛力強化なんて本末転倒だ」と語っていました。
私達によく似た発想をする人がここにもいるなぁと思いました。
私達はこれまで食糧、エネルギー、ケアを地域で自給する循環経済の大切さを主張してきましたが、これに防災を加え、4つのコアのある強靭な生命力のある地域形成を目指すことの重要性が誰の目にも見えてきているということだと思います。
ある意味これを気づかせてくれるうえで岸田首相の反面教師としての貢献は大きいと思います。
この課題を掲げることが、しっかりした後継者獲得も可能にするのだと思います。
引き続きこれらが来年の目標となります。来年も力を合わせて頑張りましょう。
そういうなか、今日は私達が善意のつもりでいることのなかに、いまこのときも気づかない大きな誤りを犯している可能性があるのではないかという大事なお話を、全日本民医連理事会で精神科医療を担当している今村先生からお聞きします。
見当がつかない方もいるかも知れないので、一つだけ前座的なことを話すと、1948年に定められた旧優生保護法はつい最近まで日本の社会に深刻な汚点を残したのです(資料参照)が、その当時の国民の意識は、その前年に施行された日本国憲法の25条のすべての国民に健康で文化的な生活を保障するという目標を戦後の貧しい中で少しでも実現するためには障害者排除をやむをえないとしていたのではないかということです。
「地獄への道は善意で敷き詰められている」というフレーズを地で行くようなことであり、別の道はなかったのかという痛切な反省が今なされています。
これは2022年の最後を結ぶにふさわしい大きなテーマですから、心してお聞きいただくことを期待するものです。では熱心な参加をよろしくお願いします。
資料
知的障害者の不妊処置問題で「あすなろ福祉会」を監査 北海道、勧告や命令も視野2022/12/26 産経新聞
北海道江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」(樋口英俊理事長)が運営するグループホーム(GH)で、結婚や同棲を希望する知的障害者が不妊処置を受けていた問題で、道は26日、同福祉会に対し障害者総合支援法に基づく監査を始めた。勧告や命令も視野に実態解明を進める。
26日午後、道の職員らが同福祉会の建物に入った。問題が発覚した18日以降、樋口理事長や梅村雅晴常務理事らから任意での聞き取りを実施してきたが、監査では職員や入居者からも話を聞く。報告や書類提出などを命令でき、従わない場合は障害福祉サービス事業者の指定取り消しも可能となる。
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