スターリンは民族楽器バンドゥーラ演奏を弾圧した
雑誌「世界」10月号 末澤恵美「歴史の一部としてのロシア=ウクライナ戦争」
ロシア革命1917年直後の歴史を読んでいるとウクライナでは「中央ラーダ」政権が独立を宣言した後、ボリシェビキ政権に滅ぼされたと、「ラーダ」についてなんの説明もなく書いてあることが多い。
読み流していると、ラクダと結びついてラクダに乗った人々の政権のイメージが意識下で形成される。あるいはラダー=はしごに乗った人々。
しかし現在のウクライナの国会が「最高ラーダ」と呼ばれることがこの文章でわかる。つまり、ラーダはソビエトと同じく評議会を意味する普通名詞なのである。
余計な知識獲得はそれくらいにして、驚いたのはウクライナの民族楽器バンドゥーラの演奏がスターリンによって弾圧されたことである。また奏者は視力障害者であることが多かった。バンドゥーラの禁止と時を同じくしてスターリンによる食料強奪のためのウクライナ人大量餓死「ホロドモール」も起こっている。
民医連の集会でもよく演奏しているナターシャ・グジーさんは「バンドゥーラ奏者・歌手」と表記されているが、バンドゥーラを演奏することはそのように政治的・歴史的な背景があった。グジーさん自身がそう語るのは聞いたことがなかったが。
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