雑誌「前衛」10月号 弁護士角田由紀子さんの講演について
雑誌「前衛」10月号 弁護士角田由紀子さんさんの講演について
大事なところはFBの方に書いたが、その続き。
生物学も社会的存在である人々の認識の所産であって、社会に基盤があり、とくに男女の生物学的定義は客観性が疑わしいと角田さんが主張するところは少し危険な感じがある。
簡単に言うと、突き詰めれば男女の性別は人為的、あるいは社会的な分類だという主張になるからである。
医学は男性が作って来た学問で、性差という視点が抜け落ちているため客観性が疑わしいというのは納得できるが、疑わしさを研究で訂正するというのでなく、疑わしいという断罪のままでそれを自然科学一般に拡大すると、真実はどこにもなく、あるのは多様な社会的存在の主観的言説に過ぎないとする相対主義になっていくだろう。自認によって性別は決まるという観念論はその延長線上の隣にある。
人間かどうかも自認で決まるとしたらどうだろう。ナチスのように、人間かどうかを他の人間が主観に基づいて決めるとする主張、つまりユダヤ人や障害者は絶滅する以外に道はないというヒトラーに抵抗できなくなるのではないか。
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