キャロライン・クリアド=ペレス「存在しない女たち」
いま、キャロライン・クリアド=ペレス「存在しない女たち」河出書房新社2020 の「第1章 除雪にも性差別が潜んでいる」を読んでいるが、交通が本当に男性、産業本位になっているのに驚かないではいられない。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309249834/
男性が自動車で通勤するため、企業が商品を輸送するための高速で走れる道路建設のために、女性が日々の生活を回し子ども、高齢家族のケアをするために使う歩道・自転車用道路・近所周りの自動車道路の整備は永遠に後回しにされている。
それは雪の日の除雪の順位にも如実に現れる。いつまでも雪が残り歩きにくい歩道で女性、特に高齢女性は転倒し、寝たきりになって余生を台無しにするような大怪我をするのである。
そこで雪の日、歩道から除雪することに決めた北欧のある街では、女性の転倒による骨折が激減し、それにかかる医療費が大幅に軽減された。
女性差別のない交通は、健康格差や気候危機の解決の必須の条件だ。
それだけではなく、病院で多数派をなしている女性の本当の力が発揮されたら、この閉塞した現状が、突然活気を帯びるのである。
| 固定リンク
コメント