« 病院当直最高齢記録を更新 | トップページ | キャロライン・クリアド=ペレス「存在しない女たち」 »

2022年8月26日 (金)

「さかさま医療ケアの法則」(The Inverse Care Law)

藤沼先生のおかげで「さかさま医療ケアの法則」(The Inverse Care Law)という言葉を初めて知った。50年以上も前の言葉だが、とても有名なことらしい。
https://share.or.jp/opinion_advocacy/insistence/001.html
「良質の医療ケアの利用可能性は、提供対象の人びとの医療ニーズに反比例する。
つまりニーズの高い人ほど利用から遠ざけられる。
このさかさま医療ケアの法則は、医療ケアが市場の力に最もさらされているところで、より完璧に貫かれる。逆に市場の力の比較的弱いところでは、それほどにはならない。市場による医療ケアの分配は、野蛮で、歴史的にも時代遅れの社会的様式であり、それに戻ろうとするどんな試みも、医療資源の分配失敗をいっそう悪化させる。」 「いかなる市場経済も、企業投資を、一番もうかるところから、一番必要とされるところに移すということは決してやらない。」(一部改変)

"The availability of good medical care tends to vary inversely with the need for the population served. This inverse care law operates more completely where medical care is most exposed to market forces, and less so where such exposure is reduced. The market distribution of medical care is a primitive and historically outdated social form, and any return to it would further exaggerate the mal-distribution of medical resources." "No market will ever shift corporate investment from where it is most profitable to where it is most needed."

どんな医師コミュニティにも実質上属して来なかったので、知らないことはとことん知らないなぁ。
しかし、ケアに限らず社会的資源はそれが必要な人ほど届きにくいというのは今の資本主義社会では普遍的な法則である。片方から奪って反対の片方に蓄積するのが資本主義だから当然のことである。
ソーシャルワークを土台にした医療を、様々な抵抗を押し返して本気で構築してみようと思っている最近、毎日がその発見の場となっている。

|

« 病院当直最高齢記録を更新 | トップページ | キャロライン・クリアド=ペレス「存在しない女たち」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 病院当直最高齢記録を更新 | トップページ | キャロライン・クリアド=ペレス「存在しない女たち」 »