ロシアにおける歴史修正主義
雑誌「世界」9月号を読みながら
1939年の独ソ不可侵条約では両国が東欧を分け合う秘密議定書があって、その後そのとおりに両国からの侵略戦争が展開した。これについて2019年の欧州議会は「第2次大戦勃発の責任はナチス・ドイツだけでなくスターリンのソ連にもあった」ことを認めた
これに対しプーチンはこの事実を認めることを禁止する法律を2021年7月に制定した。ソ連は間違っていなかったという強弁を法律にしたのである。
当事者のドイツはスターリンのソ連に第2次世界大戦の開戦の責任があるとしながら、ナチス・ドイツの侵略によってソ連諸民族が膨大な犠牲者を出し、同時にベルリンを解放したのは赤軍だったことを忘れてはならないとしている。
プーチンは歴史を歪めようとし、ドイツは歴史認識をリアルに深めているというべき。
「人間の尊厳は不可侵」だという世界共通の認識も、もとを辿ればナチス・ドイツのホロコーストへの反省の表現だった。
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