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2022年7月 4日 (月)

木下順二と柄谷行人

木下順二がいくつかの戯曲の中で使った「どうしても取り返せないものをどうしても取り返す」というセリフ。侵略戦争に対する深い悔恨と一般的には解釈されそうだが、そこにとどまるものだろうか。

柄谷行人が次のように言っている統整的理念に相当するのではないだろうか。柄谷によれば憲法9条もコミュニズムもそういった統整的理念なのだ。
そういうものは僕らが膨大な努力を費やして敗北したあと、逆らい難い形で「贈与と互酬」の高次な回帰として実現する。
『カントが理念を、二つに分けたことが大事だと思います。彼は、構成的理念と統整的理念を、あるいは理性の構成的使用と理性の統整的使用を区別した。構成的理念とは、それによって現実に創りあげるような理念だと考えて下さい。たとえば、未来社会を設計してそれを実現する。通常、理念と呼ばれているのは、構成的理念ですね。それに対して、統整的理念というのは、けっして実現できないけれども、絶えずそれを目標として、徐々にそれに近づこうとするようなものです。カントが、「目的の国」とか「世界共和国」と呼んだものは、そのような統整的理念です。』

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