「領土不拡大の原則」


雑誌「前衛」5月号で、森原公敏さんの文章のなかで興味を惹かれたのは、1941年の大西洋憲章で初めて唱えられた、戦争後の「領土不拡大の原則」がなぜ生まれたかを彼が探ろうとしていることである。
「武力による現状変更を許さない」とはつまり「領土不拡大の原則」のことにほかならない。
この原則は一体どこから生まれてきたのだろう?それを知るには古い「前衛」を探さないといけない。
その後の経過としてよく知られているのは、1943年11月カイロ宣言、1945年7月ポツダム宣言、さらに国連憲章でこれが確認されながら、その間の1945年2月のヤルタ秘密協定ではソ連の領土拡大が決められていたということである。そのため日本は77年間にもわたって全千島をソ連・露によって不当占拠されている。
いまはそこはおいておくとして、戦後「領土不拡大の原則」を真剣に現実化しようと努力してきたのはまさに領土拡大の標的だった植民地の解放運動だったことが、今後の希望である。
その最新の決意が2022.2.21のケニア国連大使の発言にほかならない。
なお戦争による領土拡大を否定する原則をうち立てたのは他ならぬレーニンだった。「平和に関する布告」1917.11
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