岩波書店の無料の宣伝誌 「図書」4月号を開くと平野啓一郎さんの文章 がある。書かれたのはずっと前だろうが、なぜかウクライナ侵略戦争の今を見抜いたような主題である。
近代以降の政治空間の底にはいつまでも掛け値なしの戦闘、つまり殺し合いという荒涼とした岩場があるということは今回の事態で明らかになったが、そうである限り、私達の人生は不可抗力に縛られるばかりで、自由はついに存在しないのである。
阿部一族の乱も、乃木希典夫婦の自死も、近くにあった大戦争のちいさな余波に過ぎなかった。
さらに現代ではその戦闘の核にあるのは文字通り「核」である。
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