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2022年3月31日 (木)

憲法と「患者の権利法」の相似性

「患者の権利法」というものができれば、それと各種疾患ガイドラインとの関係は、憲法と一般の法律の関係に類似する。

憲法(改正)は国民が自ら動き、国民投票しなければ成立しない。
それに対して、法律は多分にテクニカルに国民が委託した専門家(国会議員)が定め、専門家(行政)が執行していくものである。

また憲法は、権力者から見れば自然発生的には従えない規範に彼の手を縛るものである。
一般の法律は権力側が自ら作った行動指針に近い。

「患者の権利法」は成立すれば医療の世界の憲法に相当する。
それは、患者=国民側の意志により制定され、自然発生的には「患者中心性」に立脚することはない医師の権力を縛る。
それに対し各種ガイドラインは、専門家である医師が自ら定めていく点で、医療の世界における一般的法律のように機能する。

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2022年3月28日 (月)

国連改革こそ世界から9条を贈与された日本からの世界へのお返し

気候危機に対応する「緑の帝国主義競争」に破れたロシアとか、民族主義と覇権志向に過度に傾斜する中国による日本侵略は荒唐無稽と言えなくなってきた。もちろん、これらの国との高度な関係悪化が前提だが。
 
その時の口実はおそらく集団的自衛権である。自国内に同一民族がいると偽りながら北海道や沖縄の一部の独立を画策するくらいは簡単だ。米軍基地による重圧を解消の展望なく永久に押し付けようとしている現状などはその可能性をひたすら大きくしているだけということである。
 
侵略の際の抵抗は国連介入と自衛隊の連携が主力になる。きちんと国連が機能するようには今どんな準備をしたらいいかは当然議論が必要だろう。9条は国連の正常な機能なしには実現しない。逆に言えば国連改革こそ、世界から9条を贈与された日本からの世界への互酬である。

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2022年3月25日 (金)

2022.3.26 医療生協健文会理事会あいさつ


早いもので、もう年度末の理事会になり、まもなく桜も咲くという時季になりましたが、皆さまご苦労さまです。

衝撃だった2月24日早朝のロシア軍ウクライナ侵攻から4週間が経過しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説が3月23日にはあったのですが、そのなかに国連が機能しなかったという部分がありました。

国連憲章自体が51条で妥協的に集団的自衛権を認めてしまっており、今までに何回も不当な侵略の口実に使われて来て、今回も「ウクライナ東部の2共和国の要請」という形でロシアに利用されるという状態が続いています。

日本国憲法は前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義」つまり国連、に信頼を寄せて、「われらの安全と生存を保持しよう」という決意を示し、その延長線上に戦争と戦力を放棄した憲法9条があるのですからも、今後私達が9条を実現していこうとすれば国連機能の抜本的強化は欠かせないものだということを改めて感じた次第です。

さて、今回のウクライナの戦争については、洪水のように報道がされていますが、気候危機との関連をただ一人明確に指摘しているのが若手の経済学者 斎藤幸平さんです。その指摘は、私達にとって極めて有益なものと思えますので、ここでかいつまんで紹介しておきたいと思います。

朝日新聞のAera電子版に掲載されたものです。

斎藤さんが論じているのは「気候変動のがロシアの政治経済にもたらしている影響の分析」です。

その前提となるのが、今が「人新世」だという認識です。「人新世」とは、人類があまりに巨大な力を持つようになった結果、地球という惑星のありかたを改変した時代、改変し過ぎた自然に人間が襲われている時代を言います。

その最たるものが、気候危機です。気温上昇によって、地球環境は人類にとって過酷なものになり、干ばつや豪雨、山火事などが多発し、食糧や水といった最低限の生存のための条件も今後、危うくなっていくことは確実です。

たしかに、今回のロシアの戦争は世界大戦へと突入していった100年前の帝国主義時代のナチスドイツや軍国主義日本によく似ていますが、違いがあるのは気候危機のなかの帝国主義だということです。

今回のロシアの侵略戦争の原因を、ロシア帝国再建という帝国的野望だけに限定しないで「人新世」の気候危機に追い詰められたロシアの振る舞いとしてみるとよく分かるところがあります。

まず、今の欧米や中国の資本主義は気候戦争を戦っているというということがあります。日本は決定的に出遅れているので日本にいてはわかりにくいのですが、再エネ利用や電気自動車への経済インフラの全面転換のなかで、欧米や中国は、自分たちが独自に制定する基準のもとで、他国の規格外の商品を排除しつつ、自国の新商品を他国に売りつけようと争っています。「緑の資本主義」といわれています。

しかし、「緑の資本主義」も資源やエネルギーを必要とします。必要とされるのは、もはや化石燃料ではなく、リチウム、ニッケル、コバルトなどの資源獲得をめぐって、南米やアフリカで米欧中の緊張関係が高まっています。リチウムは「21世紀の石油」なのです。

そうした転換は、これまでの化石燃料の輸出しか国力の源がなかったロシアなどを追い詰めます。

一方、現在の「緑の資本主義」は、気候変動対策としてはまったく不十分であり、世紀末までの気温上昇は、パリ協定の1・5度目標を大きく上回る2・4~2・7度になると言われています

ロシアへの気候変動の負の影響は極めて大きく、ロシアにおける気温上昇は世界の他地域と比べて2.8倍のペースで大きく進んでおり、その結果、永久凍土の融解が進行し、その上に乗っているビル、道路、空港、パイプラインにすでに大きなダメージが出ています。

気候危機によって、凍土のなかに閉じ込められていたウイルスや細菌が拡散するという問題もあります。

そうしたロシアに壊滅的な最終打撃として加わると予想されるのが、夏の干ばつによる小麦の生産量減少です。ソ連時代の飢饉の記憶が蘇るところです。

実際、昨年の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、プーチンは、「ロシアは砂漠化、土壌侵食、永久凍土融解といった複合的脅威に直面している」と危機感をあらわにしています。

このとき、例えば中国にしても脱炭素化に対応できる技術力を身につけています、電気自動車では世界のトップにいるのですが、一方、ロシアにはそのような技術開発を進める力はなく旧来の原子力を使うしかないのです。

ここでウクライナは「ヨーロッパの穀倉地帯」と呼ばれ、ロシアと並ぶ小麦の輸出大国、トウモロコシは中国もウクライナから輸入しています。

原発が16基もある原発大国でもあります。

さらに、ウクライナはIT産業に必要なレアアース他の豊かな産出国でもあります

かつソ連時代から宇宙分野や核開発の拠点だったのでウクライナは「東欧のシリコンバレー」IT技術者も多くグーグルなどの海外企業からも多くの発注を受けています。

つまり食糧、IT資源、IT技術、原発という4つの領域で、ウクライナは、グローバル化に乗り遅れ、最も厳しく気候危機に直面させられたロシアにとって欲しくてたまらない土地なのです。日本が満蒙を生命線と呼んだ過去をなぞるなら「ウクライナはロシアの生命線」だとプーチンは言うでしょう。

そしてまだ天然ガスや石油輸出が武器として使える今しか侵略のチャンスはないと見えたに違いありません。

まとめると今回のロシア侵略は新たな「気候」戦争としてもとらえる必要があり、また、ロシアに対する欧米の対応も、気候危機のもとでの覇権をめぐる帝国間の争いとしてとらえなおさねばならないのです。

この種類の資源戦争は今後、アフリカや南米を舞台にして起こり続けると考えなければならないでしょう。

気候危機の中の帝国主義戦争の時代、第3次世界対戦のなかに私達は今突入しているのかもしれません。

最近の気候変動に関する政府間パネルIPCCの報告書の最後の一節にはこう書いてあります。

「居住可能で、持続可能な未来をあらゆる人々に確保する『機会の窓』は、急速に閉じつつある。(気候危機への)適応と(気温上昇の)緩和に向けて、先を見据えた世界的な協調行動が、これ以上少しでも遅れるならば、このわずかな機会を失うことになるだろう」

以上やや立ち入って斎藤さんの文章を自分なりにご紹介しました。全文も添付していますのでぜひお読みください。

しかし、ここで私達の医療生協運動の最も欠けているところとして、気候危機に立ち向かう地域づくりについて、具体的な方法論を見つけきれていないということは強調しておきたいと思います。

食糧、エネルギー、ケア(医療・介護・福祉・教育)を自給する循環経済だと目指すところは見えていますが、最初の一歩はなにかというところがはっきりしないのです。

その一つの案として「(地域福祉)戦略部」の設置とそれによって「エネルギー・食糧・医療福祉を自給する地域循環経済をめざし、医療福祉を担う立場から地域や行政への働きかけを強化」するということを総会方針案の中に書き込んでいます。ご討議いただければ幸甚です。

(議長指名)

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戦争からの希望

グローバリズムに置き去りにされ、かつ気候危機に脅かされた劣位の大国がこれしかないと思って始めた隣国への侵略であるこのウクライナ戦争がどういう結果に終わるのか分からないが、国連機能の抜本的強化と気候危機の現状への認識につながることにだけ希望を感じる。

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メンバーシップ型の革命政党とは?木下ちがや「みんなの政治学」

9784589042132    雑誌「世界」4月号で環境経済学者の宮本憲一さんは反公害運動の衰退について問われ「消えたわけではないが運動が総合せず一つの力に統一されていない」旨を述べている。
それが気候危機への闘いを弱体化させている。
これは政治全体について言えるだろう。
政治学者の木下ちがやさんは新著「みんなの政治学」の中で、『分裂ではなく統合』を、それを成し遂げる新メンバーシップ型の政党、それも国境を越えたどこかインターナショナルなものの構想を示唆しているようである。
ところでメンバーシップ型の政党とはどういうものだろう。  松竹伸幸さんが言うように党首を党員の直接選挙で選ぶように変わった共産党のようなものだろうか。
https://ameblo.jp/matutake-nobuyuki/

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2022年3月20日 (日)

小病院の外交

2ヶ月くらい前の二次救急で、若い人の虫垂周囲膿瘍~骨盤底膿瘍を、僕の病院の3倍くらい大きい病院の外科に送ろうとしたら、FAXで送った画像を見て「手術の時期は過ぎているのに紹介してくるなんて」と何故かお説教されたうえに断られた。まるで僕の診断が遅れたかのような口振りであった。


自分が主治医となり、強力な抗菌剤使用で事なきを得たが、外科のない病院としてはあまり気持ちの良いものではなかった。


今日の二次救急でも、ほぼ同様のケースがあった。前回の成功例にならって今度も保存治療で行こうかという気持ちも動いたが、本人や家族としては本意ではないだろうと思い直して、今度は別の大きい病院の外科に頼んだ。

またしてもFAXで送った不鮮明なCT画像をもとに、電話口で2ヶ月前の経験を愚痴ると「なるほど。それでうちに頼んでこられたんですか」と引き受けてもらえたので、やはり外科の適応だったのだろう。

患者さんは救急車で来て1時間滞在してまた救急車で去っていった。

大国に挟まれた小国の外交にはこのように積み重ねられた経験に基づく駆け引きが欠かせないのである。


それにしても、いまどきCT画像を電カルのSnippinngToolで切り取りWordに貼り付けて印刷してFAXで送って相談なんてローテクすぎるかも。ただ、電カルのdigitalな情報は絶対にLineなどには持ち出せない。やはり「とねっと」がなくては。

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2022年3月18日 (金)

辻原 登『許されざる者』


辻原 登の小説『許されざる者』上下を読み終えた。

大冤罪事件である大逆事件で死刑となった和歌山県新宮市の医師大石誠之助の伝記と思って読み始めたが違っていた。

作家や主人公の政治的立場は、教員出身で日本社会党の県議会議員だった父(1916年生まれ)を反映していそうである。つまり安保闘争直後の日本社会党左派あたりの立ち位置。

 

長所を言えば、日露戦争頃の活気ある地方都市の模様を想像するには良いかもしれない娯楽作品だということである。

むしろ「森宮」=新宮という宗教的かつ豊かで進取的な興味深い土地が主人公なのかもしれない。

少し面白いのは一貫して「夫人」と表記されるヒロインの名前が「○子」だと突然わかるところが一箇所だけある。下巻P439。

なぜ、そんなことにしたか意図は不明。

 

人物造形は類型的で、様々なシーンが他の有名作品のオマージュのようになっている。引用される江戸後期の短歌が世俗的で鼻白む。

こうした特徴から見ると、辻原 登という人は僕らの年代のものには、井上 靖の系譜にいると見える。司馬遼太郎とは趣が違うが、それは好ましい。

収穫は「たたかひのちりにけがれし天地(あめつち)をきよむとばかり降れる雨かな」という田山花袋の短歌を知ったこと。彼の厭戦気分が感じられる。

 

ところで、この作品を念頭に置きながら、目の前の宇部を舞台に明治・大正期の実在の人物を多く織り込んで(人物解釈もこの作品のようにありきたりにせず)斬新な視点を示す近代歴史小説は書けそうである。テーマは新興の炭鉱・工業都市の盛衰だから小林多喜二の諸作品や野上弥生子の「迷路」に連なるものになる。

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2022年3月15日 (火)

亀山郁夫の語るプーチン

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岩波の宣伝誌「図書」2月号で亀山郁夫さんの対談を見つけた。

Facebookに「亀山郁夫さんには、規範というものをいっさい失ったプーチンのドストエフスキー的犯罪者性について論じることを勧めたい」
ということを書いたら、すぐに色平哲郎さんから、亀山さんのロング・インタビューを紹介された。
同じことを思ったジャーナリストがいたのだ。
毎日新聞2022/3/12 -13の記事だが、抜粋すると

亀山郁夫:「あまり知られていないことなのですが、1960年代半ばから70年代前半までのブレジネフ書記長期のソ連は、私なりに言わせると『黄金時』」でした。冷戦の壁に囲まれて、平和を謳歌することができたのです。アレクサンドル・ジノヴィエフというロシアの哲学者が『現実としての共産主義』という言い方をしていますが、実にうまい定義です。
 民衆は貧しいながらも、医療費や教育費の心配をせずに暮らせていました。対外的にはベトナム戦争で米国と対等に渡り合う、大国として存在感があった。この時の記憶を引きずっている人たちが、たしかに現代のロシアにも一定数いて、プーチン大統領を支持しています。しかし支持しているのは、現在のプーチン大統領をのみ込んでいる『狂気』ではありません。」

亀山郁夫:「神がいなければすべては許される」というアナーキーな精神性は、いま言ったロシア人の精神の闇に深く通じる言葉です。アナーキーで自由な精神性は、いったん落ちはじめたら、とどまるところを知りません。

プーチンの、観念的なものへの過度の思い入れが、一番厄介です。ドストエフスキーはこの気質を『ベッソフシチナ(悪魔つき)』と呼んでいました。」

「プーチンが取り憑かれている観念的な美学とは『新ユーラシア主義』です。

新ユーラシア主義とは、社会主義の理念に結ばれた旧ソ連の版図を、ロシア正教の原理で一元化し、西欧でもアジアでもない、独自の精神共同体とみなす考えです

ことによると、彼自身が、まさに新しい王国のメサイア(救世主)たることを願っていたのかもしれません。これは、米国のバイデン大統領が言っているような、旧ソ連の単純な復活とは意味合いが違います。

 この構想にとって何としても欠かせないのが、ウクライナなのです。芸術家も多数輩出している。

 私たち西側の人間の目に映るウクライナと、東側の人間の目に映るウクライナとでは、まるで別の顔をしているのです。ウクライナは、何といっても芸術大国なのです。

 思うに、ここまで情報がオープンと化した時代に、プーチンがNATOの脅威など恐れることはなかったはずです。むしろ、協力関係という選択肢もありえたはずですから。にもかかわらず彼が、NATOの東方拡大を口実に侵攻したのは、精神的共同体の夢が壊されるのが、よほど怖かったからではないでしょうか。

「グローバリズムに完全に乗り遅れ、資源大国から一歩も先に歩みだせない焦りが、精神的共同体の夢の強化に拍車をかけたと言ってもよいかもしれません。」


結局「グローバリズムに完全に乗り遅れ、資源大国から一歩も先に歩みだせない焦りが、精神的共同体の夢の強化に拍車をかけたと言ってもよいかもしれません」亀山郁夫。
気候危機との関連を考察した斉藤幸平さんとはまた別の観点だが、納得できるところが多い。

岩波の宣伝誌「図書」2月号を偶然見たところから、色平先生のおかげで深められた。

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2022年3月13日 (日)

斉藤幸平『人新世の「資本論」』読書会2回め


日曜日夕方は、医学生、職員と斉藤幸平『人新世の「資本論」』読書会2回め。

 

ロシアのウクライナ侵略があり、すでに2回めにして、テキストから脱線せざるをえなくなる。

 

気候危機に押されて新たな帝国主義世界戦争が始まった。経済的影響から見ると第3世界大戦の始まりと呼んでおかしくない。

 

永久凍土の崩れるシベリア、再生可能エネルギー主流化で失う化石燃料大国の地位を目前にして、ロシアが帝国主義強国として残るには、今、ウクライナの農業、半導体資源・技術力、そして(ロシアから見れば気候危機時代のエネルギーの主力である)原発を奪うしかなかった。

ロシアから見て、戦争するなら天然ガスを武器にできるいまが最後のチャンスと見えたに違いない。

つまり「満州は日本の生命線」にほぼ等しい「ウクライナはロシアの生命線」という認識のもとに行われている戦争である。

 

そして。こうしたタイプの侵略がこれから続々と現れる予感もする。

 

ローザ・ルクセンブルクの「社会主義か野蛮か」はいまのためにある言葉だ。

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2022年3月11日 (金)

ビジネスホテルの食堂をコミュニティ・レストランに

少し古い話になるが、中野先生に紹介されて泊まった埼玉県幸手市のホテル「グリーンコア」の朝食は500円で地域に開放され、同時に常設の子ども食堂もかねているようで、一つの社会共通資本だった。今はどうか知らない。


https://www.green-core.com/plus1/news_old/details.php?log=1416142136

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市役所を福祉のデパートに

色平先生も出演された「立命館大学社会システム研究所 2021年度公開学術シンポジウム」を視聴。


滋賀県野洲市の困窮者援助の仕組みを聞いていると、人間の支援の枠組みはどの領域も相似関係だと思った。


たとえ市役所でも、組織はどうしてもスペシャリストの集まりになりやすい。要支援者は自分のための支援先を見つけられず立ち往生する。そこにジェネラリストとして「市民生活相談課」「自立支援相談機関」を誕生させると、とたん市役所が「福祉のデパート」になる。


とはいえ、総合診療医があくまで医療の中のジェネラリストにすぎないのと同様に「市民生活相談課」も市役所の範疇で有効というだけだろう。


入れ子細工でいろいろな階層のジェネラリストが必要なのだ。

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2022年3月 8日 (火)

しつこく警官に絡まれた話

ドラマ「Mr.robot」風に
http://mrrobot-tv.jp/
フードを深くかぶってこの時刻に自転車に乗っているとやってきたパトカーから降りて来た男女の警官二人に停められた。
「この自転車、新しいけどお父さんのものですか」
「どこで買われました?」
浅田輪業で1ヶ月前に買ったんだけど。
「防犯番号が登録されていないんですよ」
(なぜすぐわかるんだ?自転車屋さんが必ずしているはず)
「お名前は?」
「運転免許証か何か身分証ありますか」
いや、自動車に乗らないから自転車に乗っているのだが、と言ってみる。ここはウケ狙いです。
しかたがないので写真付きの日本医師会会員証を見せるとようやく追及が終わった。

わざわざ怪しい格好をしている僕の自業自得か、それとも戦争に向かって予防拘禁の準備が始まっているのか。

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2022年3月 7日 (月)

今日はヒトラーのラインラント進駐1936.3.7から満86年目


知人のSNS投稿への自分のコメントを少し書き直してここに記録しておくことに。

奇しくも今日3.7はヒトラーのラインラント進駐1936.3.7から満86年目。第2次大戦を防止する最大のチャンスだった日。https://ja.wikipedia.org/.../%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3...

「ソ連解体後の社会崩壊をなんとか立て直そうと努力してきたプーチンだったが、その権威主義志向と欧米に対する屈辱感が勢力圏的発想の侵略に導いたのでしょうか。
ヒトラーのドイツや陸軍支配下の日本に酷似しますね。

NATOには加盟していないが、米軍・NATO軍の軍事指導を系統的に受けているウクライナの軍事支援はしない、しかしロシアの撤退を求める世界世論は高めるという運動方針が正しいと思います。

ただ軍事的介入について言えばヒトラーに対してはラインラント進駐1936.3.7あたりでの仏・英の素早い軍事的介入が必要でした。そのあたりを国連が汲み取らなければならない歴史的教訓と感じてしまいます。」

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2022年3月 6日 (日)

役に立たぬ話

今、何かに役に立つということでは全くないが・・・
屈辱を晴らしたいという気持ちに凝り固まった後発帝国主義国が攻勢的になった時、なるべく早く抑え込めばその後の世界戦争を防ぎえたという例としてはヒトラー・ドイツの起こした1936年ラインラント進駐事件がある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ラインラント進駐

ライン川両岸に非武装地帯を置くという条約を破られたフランスとイギリスがこれを一気に潰しておけばドイツ東方への進軍経路が保たれ、かつヒトラー政権も倒せたのに、軍事的優位にありながら簡単に見逃してしまった両国の誤りは後世から見ればあきらかである。
当時のソ連が国際連盟でドイツ制裁を提起したがフランス、イギリスが応じなかったことも誤りの一つである。

これはウクライナ情勢のどこかの時点に適用できたのかも知れない。

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眠れぬ夜に考えたこと

国連が解決できない限り、以下のようなコースが想定される
短期的に
1:米欧の武器支援を受けてウクライナ軍が自国内でロシア軍を殲滅する
2:世界の反戦運動を反映してロシア国内で政変が起こりロシアが撤兵する
3:原発事故が起きてヨーロッパの多くが当事者となって武力介入が始まる
4:タイミングを見計らいながら人道目的を唱えて米軍、NATO軍が介入する
いずれも不利になったロシア政権による核使用の危険が高まり、実現の可能性も低い

長期的に
5:ロシアのウクライナ占領後、抵抗軍の戦闘が続きロシアが不安定化し、アフガニスタンのように撤兵せざるをえなくなる
6:ウクライナ占領に成功に勢いづいて中国-ロシア枢軸が攻勢的になり世界大戦の危険が高まる

こう考えてみると、中国包囲の長期的戦略で核大国ロシアの自失による自滅に導くプランが米欧にある気もして来る。
短期決戦で自己に有利な状況(プーチン大統領再選とか屈辱的なソ連崩壊の回復志向)を作ることができると空想的に期待した点では、1931年の柳条湖事件というより1941年の真珠湾攻撃の日本に近いのかも知れない。

やはり、国連がこれを契機に安保理常任理事国の拒否権を撤廃するなど大改革されることが必要だ。

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2022年3月 2日 (水)

デヴィッド・ハーヴェイの暫定発言


加藤周一、柄谷行人と参照して来て、そうだ、デビッド・ハーヴエイがいたと気づく。2.25の緊急暫定発言。

「西側のエリートは『屈辱』の持つ破壊性をよく理解しなければならない。
第一次大戦後のベルサイユ条約の屈辱がドイツを第二次大戦に走らせた。その教訓で第二次大戦後、西ドイツと日本にはマーシャル・プランによる援助が与えられた。
しかし、冷戦終結後のロシアにはマーシャル・プランはなく屈辱だけがあった。
同じく中国も南京虐殺を含む1世紀半の屈辱が雪がれていない。教訓は単純だ:危険をバカにすると痛い目に遭うまで何度も繰り返すだけだ」

「1990年代に米国の支配者が住んでいた単極世界は、すでに双極世界に取って代わられている。失敗は許されない。誰も戦争を望んでいない。
競争、強制、激しい紛争ではなく,
平和と協力協働の新しい世界秩序が必要だ」
http://davidharvey.org/2022/02/%EF%BF%BCremarks-on-recent-events-in-the-ukraine-a-provisional-statement/amp/?fbclid=IwAR0k6iuURet_4HwfwYEyZG233SUwKjxYTJHuGGStGVn9ArDxd9J0MXqqyEw

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憲法9条を実現する道 =国連への贈与

3月1日の朝日新聞、北大 遠藤 乾氏によると今後の防衛の実力をどうするかの議論はもはや避けられないようだ。
わたしたちとしては憲法9条を実現する道を探るしかない。
それはおそらく軍事的主権を国連に寄託あるいは贈与するということのみが現実的だ。

 

一案として、自衛隊は平時は災害救助態(隊)でいいが、軍事的には日本政府の指揮命令に従うことなく全面的に国連に所属する態(隊)とする。
それでも残る寛容と不寛容の難問については以下を参照。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%9B%E5%AE%B9%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9わた

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