「医療保険は現物給付」
自分の古いブログを読み返すと、2011年時点で、現物給付と現金給付の違いの本質的理解に達していたことがわかる。
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/2011/11/2011-9f06.html
「医療保険は現物給付」というとき、別に医療現場で薬や注射液や松葉杖を現物で渡すことを意味しているわけではない。
「現物給付」とは、ケアつまり人間同士の関係によって個別のニーズを満たすことを意味しているのである。個別ニーズは同じ目標であっても同一金額の費用で応えられるものでなく、アマルティア・センのいうケイパビリティの実現の意味に他ならない。
そういう意味で2000年の介護保険が本来現物給付を最も謳わなければならない土俵で、それを否定したことの罪悪は極めて大きい。共産党もここで対応を誤った。
*2011年の僕の記載
「サービス提供者と受給者の相互了解・合意により個別ニーズを尊重する現物給付方式の社会サービス保障は人々の生存を保障するためのモノやケアが、同時に、人間の有する潜在能力(capabilities)の発達・発揮を保障するものでなければならないという、生存権保障の新たな現代的理念にも合致する。」
センは、収入が同じでもそれによって可能となることは障害の有無で全く違うので、同額の現金を保障するのでは不十分であって、可能性を等しくすることを保障せよと別の場でも言っている。
いや、年を取るということは若い人に負けるということだけでなく、昔の自分にも負けるということでもある。
また、思い出すと、このブログの記述のしつこさは異常に見える。
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