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2021年5月 3日 (月)

5/3 しんぶん「赤旗」 水島朝穂 「政治的軍人」の台頭 日本軍事政権への道

今日のしんぶん「赤旗」では憲法記念日に因んだ憲法学者 水島朝穂さんのインタビューに注目した。
それを読んで僕の考えたこと。
 
同じ改憲路線でも安倍と菅を比較すれば相違が見出される。
その細かな相違について考えることが日本政治の進んでいる方向を認識する鍵になる。
安倍は自分を担ぎ上げる仲間内である日本会議派からの賞賛を欲し、9条第3項の追加に失敗した後もどんな小さな事項であっても改憲を実現した首相としての名誉を求めた。
それが挫折した後の菅にはそうした名誉欲は薄く、実利派の様相が濃い。
では誰の実利かという問題がある。
資本家の利益であることは当然だが、戦後の日本資本主義によって一貫して追求されているのは、アメリカの軍事力と提携しながら、資本の伸長を守る確固とした軍事力である。
そして安保法制2015年が実現した段階では、今や政府の形として国軍政権が最も効率的だということが見えてきている。ロシア、中国、北朝鮮、ベトナム、フィリピン、タイ、ミャンマーなどユーラシア東部にはそれが最も普通の政権形態だと思っているのかもしれない。
 
それだけでなく「侍女の物語」「誓願」連作によってマーガレット・アトウッドが描きたかったのはまさに本国アメリカの軍事政権志向である。
 
どう正体を隠して抵抗なくそれを実現するかが現実の課題となり、自衛隊の中にはその画策を任務とする「政治的軍人」の一派が形成されている。彼らにとって政治は軍事的合理性の道具として運用されるべきものなのだ。
 
水島さんの指摘の中で最も印象的なのがこの部分である。
 
その現象がひたすら自衛隊に感謝して賞賛し続ける政府である。震災、大水害、コロナなど政治家が声を揃えて自衛隊に感謝する大災害事態はまさに彼らのチャンスである。その時犠牲になるのは社会の最底辺から集められる自衛隊員だということは見逃される。賞賛は最上層のみに向く。
 
気候危機は社会主義にとって千載一遇のチャンスであると同時に、国軍政権実現にとっても全く同様である。
そういう意味では1930年ごろのニューディールとナチスとの関係に社会主義志向と改憲志向の関係はよく似ている。
 
彼らにとって、改憲首相という名誉欲に駆られた安倍は必須の道具ではない、安保法制の実践と拡大を論争を呼ばず実務的に進める菅こそ格好の道具である。

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