2021年5月26日 (水)
2021年5月25日 (火)
小さな講演の要旨
この間、コロナに関して、専門でもないのに短い講演を2つ頼まれた。僕は話せることは限られているが、
以下のようなことを話した。
①新型コロナの発生と大流行の原因は新自由主義的なグローバリゼーションにある。
次のパンデミックの候補もすでに見え隠れしている。
(たとえば2012年に日本では山口県で第一例目が発見された、
ブニヤウィルスによるSFTS重症熱性血小板減少症候群
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html など)
②その被害の広がり方はただ拡大した物や人の交通によるというだけではなく、
新自由主義が生んだ格差の谷間の最深部(最貧部)にこそ
沿って広がり、健康格差を含めて格差自体をさらに深く急峻なものにしてしまった。
今回、日本では女性差別の拡大という特徴も伴った。
③生物工学によって早期に出現したワクチンによる「救済」も世界的格差の上層の
先進国のみに限定されてしまいそうである。
かつ、その救済が本物であるかどうかにも懐疑的であるべきだ。
④新型コロナへの対策自体がショック・ドクトリンとして際限のない
金融緩和によってバブルを生みながら
医療制度や経済の民主主義を破壊する方向に進んでいる。
そしてなにより
⑤その発生、拡大、解決の様式において、気候危機と完全な相似形にある
縮小版であることから、新型コロナへの対応が私たちにとって
気候危機のための闘いを促進する契機になりうること
⑥その闘いの陣容は、アメリカではグリーン・ニュー・ディールなどと
表現されているが、日本では「エネルギー・食糧・広義のケア」の
自給を一体のものにした地域の協同組合連合(アソシエーション)
などが考えられること
今日の聴覚過敏について
2021年5月17日 (月)
地方の中小病院で本気に「患者中心のメディカル・ホーム」を目指すには
科学者会議山口支部が中心になって組織されている皆さんを相手にに、新型コロナ問題の個人的中間総括のような話題提供を引き受けて四苦八苦していたのが終わったので、ようやく藤沼先生が相当影響を受けたと5月14日に投稿している下記のエッセイ2012年に目を通し始めることができた。
https://www.annfammed.org/content/10/2/169?fbclid=IwAR199r2nhqO7F3x_-qs1W7dZR4EXTU0lP4DsymLiP9v3I2wyjbl4EhegvEI
孤高のプライマリ・ケア医という神話的志向から、プライマリ・ケア・チームの一員というリアルな医師像への転換を説いたものである。
自分のいる中小病院の外来を見ていると、糖尿病を筆頭に疾患別の多職種チームはすでに形成されていたり、形成の可能性が見えるが、「患者中心のメディカル・ホーム」的な地域志向の一貫性あるチーム形成は意識もされていなというのが現状だろう。
少し考えてみたのだが、中小病院でプライマリ・ケアを恒常的に担うのは医師を除く外来職員群ということにしかならないと思える。
医師は病棟医療、外来医療、救急医療、在宅医療、病院や法人の管理、社会的・政治的地域活動を放浪するノマドである。
では看護師群を中核としながら、外来に関係を持つ多様な職員をひとまとめにして、地域と向かい合う構えを持った意識的なチーム形成は可能なのだろうか。
少なくとも看護師長が職員マネージメントも患者ケアも含めて何もかも一括して束ねるという現在の構造では無理だ。そういう構造自体が阻害要因になっている。
職員マネージメント、内部多職種との連携、外部諸機関との連携、患者ケアの技術のマネージメント、次の前進のための研究くらいの多方面においてそれぞれにふさわしいリーダーを必要とする。それを無理なく組み合わせて動機づけるのが今後の課題になるだろう。
2021年5月16日 (日)
「軍事医学」に患者中心のメディカル・ホームの意義が述べられるアメリカという国
非営利・協同総合研究所のホームページから『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻202号)』(転載)https://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/20210501-niki-no202.html?fbclid=IwAR3Uk9_Q0WuhAXZFSkaB8F-0moFI2lOwtKaYZ1GECOCIOwZnsSJUAu5ffz8#toc2
を読んでいると、この研究所のメンバーの高山一夫さんから二木先生があることを教えてもらったことに始まる、おそらくあまり人の読む気を起こさせないだろうと思える長い文章があり、その中で、日本ではなぜかその並立が不可能とされている「医療の質とコストとアクセスの三者(三角形)」説を反駁するものとして、クリステンセンらの「患者中心のメディカルホームは費用を抑制しつつ、アクセスと質を維持・改善する」という論文がhttps://academic.oup.com/milmed/article/178/2/135/4210880
があることが示されている。
文献に充てられた数字が間違っているのでちょっと戸惑ったが、早速その論文を探してみると、なんと「軍事医学」という雑誌に掲載されたものだったのでちょっと驚いた。
「患者中心のメディカル・ホーム」などというとたいそう難しく聞こえるが、「あなたの医療情報を一元的に蓄積して、生活全般にわたって支援してくれる、かかりつけの医療チーム」ということであり、民医連の診療所が少し頑張れば達成できないものではない。
少し早すぎる新型コロナ問題の総括
2021年5月13日 (木)
SDH重視は結局は改良主義に帰着する
2021年5月11日 (火)
「ケアの自給」とはなにか
2021年5月10日 (月)
僕がコロナの講義? 抗議とは違うのか?
2021年5月 9日 (日)
驚くほど安上がりの宣伝費 オリンピック反対
立川相互病院のきわめて安価にして絶大な効果のある五輪中止宣伝がマスコミを賑わしている。宣伝ってあんな風にやるものか、と改めて瞠目した。
(もちろん、あの新築の立派な病院の建設費の外装分くらいを宣伝費に含めれば、ものすごい値段になるが)
しかし、新聞を読んで改めて思ったことがある。
立川相互病院は270床に医師90人とのこと。仮に研修医が20人いたとしても、医師一人当たりの入院患者数は4人に満たない。
当方は、といえば159床に常勤医9-10人で、うち4人は65歳以上である。60歳以上となれば6人になり過半数を超える。入院患者の平均年齢は軽く80歳を超えるので、言ってみれば「老人による老人のための病院」として時代の最先端を行っている。平均した一人当たり入院患者数は20人近い。
救急車が入院経路の相当数を占めるのは同じといってもその程度や重症さが違う。コロナについても重症を抱え込んで身動き取れなくっているのと、いくらPCR検査を精力的にしても、患者のみで言えばまだたった一人しか陽性者がいないという流行状況の違いもある。
同じ民医連といってもこれだけ違えば見えるものも要求も大きく異なる。しかし、一方、政治的要求という大きな共通点も探せばあったわけである。
日本のアスリート
日本のアスリートは政治的意見を表明せず、競技団体の決定を運命のように従容として受け入れることを美徳とし、市民もそれを当然とすることを奇妙に思っていたら、今日のしんぶん「赤旗」には陸上の新谷仁美さんがオリンピック出場選手へのワクチンの特別扱いを否定するコメントが出ていた。
表彰台で拳を突き上げて黒人差別に抗議しメダルを剥奪された選手、国歌斉唱を膝をついて拒否したバスケットボール選手、毎日殺された黒人の名前を記したマスクをつけて競技した大坂なおみのことなど思い出すと、日本のアスリートは今こそ自主的な選手会を作り、社会の中のスポーツのあり方について自分たちなりの見解を表明すべきだと思う。
2021年5月 7日 (金)
RBG 最強の85歳
2021年5月 4日 (火)
アメリカで起こっていたこと
支配からケアへの歴史的転換
資本が利潤を追い求めてやまないのはなぜかと考えたとき、蒐集への固執と答える人もいるが、僕は究極的には人が人を支配したい欲望だと思う。
他人を支配したい気持ちも、自然を支配したい気持ちも同じだろう。
フランシスコのローマ教会が、生産において人間は大地を支配するものでなくケアするものだと聖書解釈を変えたことに倣えば、社会における人間の目的も他者の支配ではなく他者のケアになっておかしくない。
そのように、みずからを強制する目的を変更する時代が今来ているというのは別に奇妙なことではない。
他者を支配することなど想像もできない時代が続いたある日、支配を目的に生きようとと思った者が人類史のどこかで誕生したわけなので、皆がその目的を一斉に変える日が来るのは不思議でも何でもない。
支配からケアへの歴史的転換
資本が利潤を追い求めてやまないのはなぜかと考えたとき、蒐集への固執と答える人もいるが、僕は究極的には人が人を支配したい欲望だと思う。
他人を支配したい気持ちも、自然を支配したい気持ちも同じだろう。
フランシスコのローマ教会が、人間は大地を支配するものでなくケアするものだと聖書解釈を変えたことに倣えば、人間の目的も他者の支配ではなく他者のケアになっておかしくない。
そのように、みずからを強制する目的を変更する時代が今来ているというのは別に奇妙なことではない。
他者を支配することなど想像もできない時代が続いたある日、支配を目的に生きようとと思った者が人類史のどこかで誕生したわけなので、皆がその目的を一斉に変える日が来るのは不思議でも何でもない。
最近のコメント