鈴木 頌「療養権の考察」1997年同時代社
この本は鈴木先生から直接送っていただいたものである。正直に言って、その時は用語の難解さに歯が立たない感じで、お礼も申し上げなかったように思う。
森谷先生が亡くなられたことに際して、実質的にこれが鈴木・森谷の共著だとする鈴木先生の文章を読んだ。
shosuzki.blog.jp/archives/79200777.html?fbclid=IwAR12KJxyzDRQnSkj4mu7P9JxIA1JNhSVl1PhbFgdw1zvHh5FxJm84rCpxHQ
東京から宇部に帰って病院の自室の書棚からこの本を探し出して、しばらく読んで見た。
もう歴史的遺産に過ぎなくなったと鈴木先生は謙遜されているが、全くそうではない気がした。
下の写真に引用した箇所など、今でも鮮やかで刺激的である。人間活動において生産だけが特権的位置をしめるのでなく、消費の方がより本質的かもしれないとするのは、柄谷行人やデヴィッド・ハーヴェイにも共通する。
共同の営みを三側面を持つものとして捉える視点は、例えばSDH理解を平板なものにしないために不可欠で、まち育て・協同組合主義運動と医療の関係構築の理論的バックボーンになるものだろう。
ただし写真の一つはデヴィッド・ハーヴェイが説くマルクスの人間活動観の模式図である。
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