雑誌 現代思想 6月号
雑誌「現代思想」6月号は「日本の物理学者たち」特集。
関心を持って読むところがあるだろうかと思ったが、とりあえず以下の二つは面白い。
益川敏英インタビュー『「二足のわらじ」をはいて」
塚原東吾「ポスト・ノーマル・サイエンス」の射程からみた武谷三男と廣重徹」
特に後者は今ではすっかり過去の人になった武谷三男への奇妙な共感を語っていて読ませる。
こんな誰も読まないだろうことを書いても、さっとコメントしてくれた坂口志朗先生が亡くなられてもうコメントしてもらえないのは寂しい限りだ。
たしか藤井博之先生に聞いたところによると、彼は川上 武先生の読書会のメンバーであったので、武谷三男とも縁がないわけではなかったのに。
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コメント
誰も読まないわけではありません。少なくとも小生は読んでいます。武谷三男と云えば、彼の「Naturscienco kaj Logiko」を中学生の時読んで感心し、それでエスペラントの勉強を本格的に始めました。ウソではない、中学生の同級生にはサルトルにはまって、その片言隻句を振り回して女子をたぶらかしている者あり、また小学生の時にニーチェをあらかた読破したという者もあり、そんな時代でした。尤もこういうenfents terriblesは成長してもロクな大人にはなりませんけど。塚原論文は読みましたが、終わりのほうに突然「広松」(渉?)が出てきて、よくわかりませんでした。いずれにせよ、われわれの世代には、マルクス主義科学論をちゃんと総括して次世代に渡していく義務はあるでしょうね。
投稿: Tetu Makino | 2016年6月 4日 (土) 15時38分
🍺牧野先生、すごい話をありがとうございます。広島の山奥でサルにも似た子供であった僕には想像もつかない世界です。
投稿: 野田浩夫 | 2016年6月 6日 (月) 22時35分
友人からこのコメントを教えられました。
著者の塚原です。
野田浩夫さま、読んでいただいたようで、ありがとうございます。ポスト311では、武谷を再検討する必要がある、(共感は批判も含めて)ということを、どこかで書いておきたかったというのが、前半の趣旨です。まだ議論は「生煮え」の感があるので、お恥ずかしところですが、脚注にも書いた、金山・岡本の論文(勁草書房からのもの)が出たら、これからもより本格的に検討したいと思っているところです。
ついでで申し訳ないのですが、Tetu Makinoさま、すみませんが、小生が比較のために論じているのは、広松(廣松)渉、ではなく「広重(廣重)徹」、なのですが・・・、やはり、唐突でしたでしょうか?
投稿: 塚原東吾 | 2016年6月20日 (月) 11時26分