映画「百円の恋」
函館を舞台にした映画「そこのみにて光輝く」も良かったが、最近DVDで見た安藤サクラ主演「百円の恋」もそれに匹敵するものだった。
山口県周南市周辺でロケされたものらしく、この映画は山口県の新しい誇りかもしれない。
どちらの映画も台詞は少ないが、「百円の恋」はセリフが少ない上に聞き取りにくく、言葉ではないメッセージが特に強い。
社会の最下層にいて一度も勝つことのない人々の生活にどのように豊かな感情や思考が渦巻くのかを描こうとすればこうであるしかないだろう。
主人公を突き動かすのは、戦い抜いたあと肩を叩きあって友人になるフェアな精神、いわば正義への憧れである。
マイケル・マーモットの「the Health Gap」を読んで健康の平等について考える際は、ぜひこういう映画も同時に見て、貧困や格差で容易に押しつぶされることのない人間の可能性も確かめておいた方が良いと思える。
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