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2016年4月30日 (土)

健康づくりを通じての まちづくり

29日土曜日は医療生協の健康作り交流集会で挨拶。

「医療生協の健康作り集会にこのようにたくさんお集まりいただいてお礼申しあげます。

今 理事会では、来期の医療生協の方針案作りをしているのですが、一番の中心は今日の企画のような健康作りを 通じて、貧困・格差の拡大と闘うまちづくりを進めることです。

これについては『健康作りを「通じて」のまちづくり』、なんといってもこの「通じて」が肝心です。

今、私たちが地域包括ケアのモデルとして学んでいる埼玉県幸手市では平均して四千人に一箇所の「暮らしの保健室」が住民の手で生まれていて、健康と生活の安心に基づくコミュニティづくりに努めています。

暮らしの保健室を主催しているのは、お寺であったり、自治会であったり、喫茶店であったり、工場であったり、転ばん体操のサークルだったりします。サークルの場合は、毎週運動の集まりをもつが、月に一回は暮らしの保健室になるという形を取っています。
逆に、お寺さん主催の暮らしの保健室もただ生活相談をやっているわけでなく、看護師を講師にした健康教室や健康体操の実演が相談の横ではなされています。
こうして、自分たちの健康作りと、貧困・格差の拡大と闘うまちづくりを一体のものにしていくことこそが健康作りを「通じた」まちづくりなのだと思います。

今日の企画もその一環のつもりです。
今日は、それに加えて災害の問題もぜひ一緒に考えていただきたいと思います
災害に強い地域作りこそ健康作りの基礎ではないでしょうか。
気候変動とは違って、地震の多発は残念ながらこの時代に生まれあわせた私たちの運命ですが、地震によってどんな被害を受けるかは運命ではない部分が大きいです。

世界医師会長のマーモットさんも言っていましたが、同じ2010年に起こったカリブ海のハイチの地震では20万人が亡くなりました。それより500倍大きかった南米のチリの地震では死者は数百人でした。ハイチとチリの社会の有り様の違いがその数字を決めたのですね。その社会の貧困と格差の大きさがそれを決めるのです。

そこから考えると社会全体では阪神、中越、東日本、広島の水害と避難の経験を積んできたはずなのに、それが熊本地震の避難所に十分生かされているかというとやはり疑問に思います。
私たちの努力でこれからの災害を不意打ちの出来事にしない、そして被害の大きさに貧困・格差が影響しないような日常の準備が必要です。

これについてはいくつか考えることがありますが、一つに私たち自身が医療生協として避難所運営に主体的に関わるということがあります。

これは幸手市の中野先生が言っていることなのですが、避難所に指定されている中学校の体育館をについて住民が出向いてどういう避難所生活が可能なのか、非常食や水の備蓄は十分かということを点検しようとしても、中学校の校長先生から拒否されることが多いそうです。
私たちの周りではそういうことがないようにすることが第一歩です。

また、医療生協の病院、診療所、各事業所は障害のある人を受け入れる福祉避難所への指定に手挙げして自ら避難所を運営すること、おそらくはいまは存在しない避難所のネットワークを住民中心に作ることです。

この両面から避難所運営の住民関与が格段に進むのではないかと考えています。
ぜひ、皆様にはその点にも視野をひろげていただいて、今日一日を意義豊かに過ごされることを願って、わたしのご挨拶にいたします。」

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