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2015年12月20日 (日)

フードデザート 食の砂漠

今朝起きて最初にしたことは、昨日中野智紀先生に聞いたことを忘れないように記録しておくことだった。

東武動物公園前駅まで送ってもらう車のなかで聞いた話。

『町の中心部に大型で安い商業施設ができて、杉戸町木野川地区にあった古いスーパーが閉店してしまった。

車で街に買い物に行ける若い人には何の変化も起こらなかったが交通手段のない貧しい老人層の生活は変わった。たまの買い出しも必死のことになったし、買ってくるものも安くて保存期間の長いカップラーメンのようなジャンクフードばかり。

健康状態ももちろん悪化した。

まさに社会的排除の一例としてのフードデザート(食の砂漠)問題が生じたのである。

住民中心の地域ケア会議「埼玉暮らしと健康を支える市民勉強会」はすぐにこれに気づいて、「木野川地区の食を考える会」を立ち上げ、町の八百屋さんが採算を無視して生鮮食料品の販売を始めた。これは住民の命を救うことになった。

しかし、いつまでも一軒の八百屋に頼ることもできないからコミュニティバスの運行開始が検討され始めた。』

ざっとこういうことだったと思うが、考えて見ると、この話の中に健康の社会的決定要因SDH ソリッドファクツが典型的なかたちで幾つもでてくる。

質の良い食品、交通、貧困、社会的排除である。

だが、知識だけでそれを知っていてもしかたないのだ。車でさっと新しい店に行ける人には見えてもいない問題を問題として発見する枠組み、あるいは装置として活かして初めて意義が生まれる。

SDHは僕たちにとってはその存在を証明する学問的課題ではなく(そういうチャンスがあれば挑戦することは厭わないがあくまで偶然の話だ)みんなで解決すべき問題を発見する道具なのだ。

そして肝心なのは住民の手で少しづつそれが解決されて行くストーリーがストンと胸に落ちるように、記憶の悪い僕でもその話をすぐに再現できるように語られていることだ。そうして初めて同じような問題を必ず抱えているはずの遠くの町の僕たちにも影響が現れるのである。

さて、この話がyoutubeにすでにアップされているのを発見した。まだ215人しか視聴していない、「評価する」をクリックしたのは僕が2人目である。

「地域包括ケアシステム幸手モデル〜埼玉県杉戸町木野川地区フード デザート問題
2015年6月24日
www.youtube.com/watch?v=C8H2w1GrODY

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