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2015年11月 7日 (土)

プライマリケア連合学会の秋季生涯教育セミナー 堀田聡子さんの講義の本質

プライマリケア連合学会の秋季生涯教育セミナーに参加するため、民医連の会議を早く切り上げて大阪へ。

新大阪から地下鉄御堂筋線で心斎橋のホテルに行き荷物をおいて、御堂筋線を戻って一駅の本町駅に行ったが、そこから指定された28番出口に向かうと、この駅の地下の構内はほとんど迷路である。1分で通過するつもりが10分以上かかる。延々と歩かされるのである。

おかげであやうく遅刻しそうになった。

エスカレーターで左側に立つと鬱陶しがられるし、大阪が嫌になりそうである。

さて、15時からの講義2題と夜の懇親会まで付き合ったが、懇親会ではアウェイ感が強い。圧倒的に最高齢だからである。全日本民医連の理事会でも最高齢だが、この若い学会ではその比ではない。

しかし、北海道の川口篤也先生などそれなりに知り合いが点在していて、少し酔っ払うとアウェイ感も嘘のように消えてしまう。


さて、問題は地域包括ケア研究会の堀田聡子さんの講義。
「誰がケアを担うのか」がテーマ。
なんと早口なのだろう。

人口構造の変化、疾病傾向の変化への対応が地域包括ケアが求められる理由だとしている。
長谷川敏彦のいう「施設医療からケアサイクルへの変化」
健康概念の変化も「病気のないことからQOLの改善が図られている」ことに。ICFや猪飼周平も二木立も引用される。

公衆衛生的視点と住民参加による地域基盤ケアと、提供者が形成する統合ケア(切れ目のないケア)を合わせたものが地域包括ケア。
統合ケアは自然発生的で、画一的なコピーが壮大な無駄に傾きやすいので、地域を基盤とすることで修正、地域自体が最適を選択することになる。

「まちづくり」という目標は曖昧でかなわん、とも彼女はつぶやく。

高齢者のためのものでも、安上がりの医療介護のためでもなく、2025年で終わりでもない。誰でもがそのまちに住んでそこそこ良かったなと思うためのもの。すべての人にとって居場所と出番がある状態だと言える。

この辺りまでは目新しくもなく、特に反対することもないが、論旨に矛盾がある。

もちろんそのことは本人も自覚しているのだが、ここで言う矛盾とは、高齢者を対象にした介護保険破壊を本質とする地域包括ケアという厚労省の路線 すなわち「(商品としての)ケア付きコミュニティ」路線と、より本質的な社会全体を「ケアする社会(中野智紀)」 にしようという路線との対立のことなのである。

その双方を取り込もうとするところに堀田さんの話の無理があり、理解しにくさがあり、場合によっては厚生労働省路線の意図隠しになるのである。

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