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2015年10月 9日 (金)

自己植民地化 憲法5原則か3原則か

TPPについて考えるとき、ふと思い出した言葉に「自己植民地化」という言葉である。

小森陽一さんが「ポストコロニアル」岩波書店2001でその概念を紹介していた。

近代日本の支配者は国民を資本主義的な収奪を超えた植民地的略奪の対象者にしなければならなかった、すなわち国内を自らの植民地に仕立てるほかはなかったと述べているのである。これは高井正夫さんが言うようにヨーロッパと日本の大きな違いだろう。

加藤周一さんも、占領軍が戦前日本の軍事膨張主義の原因を分析したのが講座派マルクス主義とまったく同じ結論だったと述べている。

戦前の日本国民の大半は搾取されて貧しい小作農民で購買力がきわめて低かったので、日本の国内市場が非常に貧弱なものとなり、資本家は原料のみならず市場そのものを国外に求める以外はなく、結果として軍事的な膨張主義傾向が強くなったというものである。

そこで、占領軍がまず手をつけたのは小作農民の購買力向上、国内市場の創造で、そのために農地改革=農業の民主化が徹底されたわけである。

こうして一旦否定された自己植民地化がTPPによって再び本格化されようとしているのだから、日本が再び軍事的膨張主義に向かう客観的条件が大きくなっているのは間違いない。

ところで、戦後行われた諸改革は新憲法の制定をはじめとして、日本を再び、軍事侵略国家としないためのものが多い。

今朝の全日本民医連 学術・運動交流集会の記念講演で岡庭一雄氏が、戦前の中央集権国家が戦争の道を作った反省から戦争放棄と並んで、基本的人権とそれを具体化する地方自治が憲法に盛り込まれたと述べたのもその良い例である。

とすれば憲法の主要原則についていうのであれば、やはり、国民主権、平和主義、基本的人権、議会制民主主義、地方自治の五つを上げるべきで、はじめの三つだけ取り上げて3原則というのはだめなのではないかと思う。

沖縄県の意思を無視して顧みない国の現状をみると、いかに国と対等な地方自治の確立が重要かがよくわかる。

ただ、議会制民主主義については、直接民主主義との適切な組み合わせが必要なことが日に日に明らかとなっているので、修正が必要かもしれない。

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