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2015年7月17日 (金)

デヴィッド・グレーバー「デモクラシー・プロジェクト」航思社2015からのメモ

デヴィッド・グレーバー「デモクラシー・プロジェクト」航思社2015からのメモ

米国の赤字は大半が軍事費のためである。

その赤字は海外からの長期国債で補われている。

ドイツ、日本、韓国、ペルシャ湾岸諸国の買っている米国債の実態は、軍事的に支配されている属国から帝国への貢納である。

(日本は米軍への「思いやり予算」という露骨な貢納をしているが、これはむしろ例外的である。)

中国が米国債を買う理由は、好戦的な外国を手なずける意味と知的財産の無断使用を黙認してもらうためである。

このいずれも債権は名ばかりで返還は前提とされていない。

こうした軍事力に依存して、金融資本はマネーゲームに狂奔して世界の各地でバブルを引きおこしながら、むき出しの略奪を続けることができる。国丸ごとの略奪のつけは、被害諸国の増税、社会保障の切り下げという形で各国の国民に転嫁されて行くだけである。

したがって、米国は借金や赤字に喘いではいない。赤字や債務超過は、米国内での社会保障の切り下げの口実にされているだけである。

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