本土人の沖縄独立論をどう考えるか
詳細はよくわからないが、今朝の朝日新聞で最も心を打たれた言葉。
日本記者クラブと外国特派員協会と会見した沖縄県の翁長雄志知事は 記者の「筋を通せば沖縄独立論に行くのでは?」という質問に対し 「沖縄が切羽詰って話しているのを独立だといって(本土から)切り離すのか」と強く反論したとのこと。
「沖縄は独立するしかないんだよ」と本土人が発言するとき、沖縄に心を寄せているようでいて、その実、複雑な沖縄問題を意識の中で厄介払いし、思考停止に陥っていると感じてきたのを言い当てられた気がした。
翁長氏が、独立などといわずに、あくまで日本本土政府、米政府、沖縄県民の3者の関係の抜本的改善のなかで基地問題の解決を提起していることこそに、日本国民や米国国民の未来が示されていることに気づかなくてはならない。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
記事は以下の通り
沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は20日、東京の日本記者クラブと日本外国特派員協会で記者会見した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設計画を強行する安倍政権の姿勢を、「自国民の自由、平等、人権、民主主義を守れない」と強く批判。今月下旬からの訪米を踏まえ、沖縄に大きな負担を強いる安全保障体制の現状にも疑問を投げかけた。 翁長氏は会見で、アジアとの交易で栄える独立国だった琉球王朝時代からの説明に時間を割いた。「(日本に組み入れられた)琉球処分後は、日本国に操を尽くしてきたが、戦後は日本の独立と引き換えに米軍の施政権下に置かれた」と、基地問題の歴史的な経緯を説明した。 普天間の移設問題については、「沖縄の名護市辺野古への移設が唯一の解決策」とする安倍政権を念頭に、「『(辺野古移設が)嫌なら代替案を出せ、安全保障をどう考えているんだ』というのは、日本の政治の堕落ではないか」と厳しく批判した。 27日から自身が訪米することを踏まえ、「辺野古が(政府が固執して)だめになったら、日米同盟が崩れる。私は日米安保体制を理解しているからこそ、理不尽なことをして壊してはいけないと考える」と指摘。そのうえで「尊敬される日本、尊敬される太平洋国家アメリカでなければ、アジアの安定はない」と語り、地元の意見尊重を求めた。 ハワイで起きたMV22オスプレイの事故にも触れ、「普天間にハワイのように落ちたら、日米安保体制は砂上の楼閣になる」と主張。質疑で「筋を通すと沖縄の独立論に行くのでは」と聞かれると「沖縄がこうして切羽詰まって話しているのを、独立だと言って(本土が)切り離すのか」と強く反論した。 会見後に翁長氏は、東京で国内外のメディアに直接、沖縄の立場を訴えたことについて、「活発な質疑があり、理解が深まったと思う。(地元の反対という)不安材料がある中で、本当に移設をやれるのか」と手応えを語った。翁長氏は東京滞在中にニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなどの個別インタビューを受け、対米向けの情報発信を強化する。 米メディアも沖縄の動向には敏感だ。翁長知事が3月に辺野古移設作業の停止を命じた際もニューヨーク・タイムズが、移設による滑走路は「サンゴ礁で満たされた大浦湾に突き出る」と報じた。翁長氏は27日からの訪米では、ハワイで日系のデービッド・イゲ知事と会談する予定で、その後、ワシントンでも米政府高官や連邦議員との会談を調整中だ。 一方、米政府は、移設問題などの交渉相手はあくまで「日本政府」との立場だ。国務省のラスク副報道官代理は18日の記者会見で、「米国は防衛面で日本政府と連携しており、それは沖縄における普天間の代替施設も含む」と述べ、辺野古への移設を変更する考えのないことを強調した。 ただ米国内には、沖縄県の反対で移設が長期化することへの懸念もくすぶる。首相訪米直前に発表された米議会調査局の報告書は「日米両政府が強引な行動に出れば、さらに基地反対派を勢いづかせる」と指摘する。 安倍政権は、翁長氏が会見した20日も「辺野古が唯一の解決策」との主張を繰り返した。菅義偉官房長官はこの日の記者会見で、「国民の生命、平和な暮らしを守ることが国の責務。沖縄は(東アジアと中東などを結ぶ)我が国のシーレーン(海上交通路)にも近いなど、安全保障上極めて重要な位置にあるので、(在沖米軍は)平和と安定に寄与する」と語った。(松川敦志、ワシントン=佐藤武嗣、山岸一生)
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