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2015年5月19日 (火)

東京大学出版会「社会と健康」2015/4

東京大学出版会「社会と健康」2015/4

帯に「健康格差のメカニズムを探る教科書の決定版」と書いてある。

まず第12章 浦川邦夫・児玉 聡「健康の公平性と倫理」を読んでみた。

今は京大にいる児玉 聡さんには、南山大学社会倫理研究所の雑誌に彼の監訳した本「健康格差と正義」勁草書房(2008)の書評を書いた縁で何冊か著書を送ってもらっているからである。

「なぜ健康格差が許されないか」を直感ではなく理念的に説明しようとすれば、アマルティア・センの「ケイパビリティの平等」、あるいはジョン・ロールズの「社会的基本財の平等」に反するからだという説明に行きつく以外にはないのだが、それが要領良く説明されている。両者を統一しようとするダニエルズの議論の紹介も的を得ている。

あわせて、功利主義に好意的な新書の著書(ちくま新書「功利主義」)もある児玉さんらしく、功利主義の立場からも、地域や企業内の賃金格差が成員全体の健康悪化を招くことから、経済格差と健康格差の是正が主張できるとしているのが面白い。

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