今日の会議で改めて思ったこと:健康権と自己責任
会議でうまく展開できなかったので改めて整理。
健康の格差に関する自己責任原理を否定する最大の論拠は、全ての人に到達可能な最高の健康を保障した健康権と、その実現を科学にした社会疫学の成果「健康の社会的決定要因SDH」である。
このことは、WHO憲章と憲法25条をのり超えて、その先に進んだ健康観の認識と言えるだろう。
SDHの発見によって、社会的格差は許容できても、それによって健康格差が生じることは許せない(正義の第1原理:人生の出発時点の基本的権利・基本財の平等、またはケイパビリティの平等という正義)、あるいは健康格差を生じるほどの社会的格差は、最弱者にとって絶対の不利でしかないので許容されない(正義の第2原理 :格差原理)という理由で、健康格差の不正義が証明されたのである。
最近なされている不労所得部分の拡大によって社会的格差が拡大する傾向が歴史的にあるという論議は、このことの前段としてこのことを補強するものとなる。
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