岩波ホール:ポーランド映画「幸せのありか」
出かける2日前から風邪気味になったせいもあって、参加したという感じが持ちにくい、不全感の強い会議が2日目は早く終わったので、そのまま歩き、岩波ホールでポーランド映画「幸せのありか」
http://www.alcine-terran.com/shiawase/
を見た。8割方の入り。
以前、映画が始まってすぐ何気なく咳をしたら近くにいた英字紙を読む老婦人が暗いなかを慌てて席を変えたという経験がこのホールにはあるので、今日は咳を我慢しようとしていたら、なんだか呼吸が変になってきて一瞬だが命の危機感を覚えた。
古い質素な映画館だが、僕にとっては何と無く制約の多い気詰まりな空間でもある。
マスクはしていたが、風邪による咳ではなく、降圧剤の副作用に過ぎなかったのだけどね。
映画は1980-90年代のポーランドの歴史転換期のなか、脳性麻痺で26年間も意思疎通不可能と思われていた青年が、ある施設のセラピストの助けを得てコミュニケーションの方法を獲得するまでの対人関係を淡々と描いたもの。
遂に自己表現を果たすシーンは感動的だが、押し付けがましさは全くない。
ボランティアの美しい娘には裏切られるのだが、その娘のダンスのシーンが最も印象的で、その音楽はi-tuneで探してすぐに購入しようと思ったほど。
結果的に裏切られたのだが、二人でいた時間が彼の人生の中で最も輝く時間だったことは映画を見終わって気づかされる。意思疎通を果たす以上に重要だったにちがいない。
あの娘はあれからどうしたのだろうとふと考えた。
映画のポスターも僕の感想どおりに出来上がっている。
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