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2015年2月12日 (木)

水野和夫「歴史における危機とは何か 9/11、9/15、3/11をつらぬくもの」・・・「atプラス 11号 2012/2」太田出版

少し古い雑誌だが「atプラス 11号 2012/2」太田出版

http://www.amazon.co.jp/at%E3%83%97%E3%83%A9%E…/…/477831302X に水野和夫さんが「歴史における危機とは何か 9/11、9/15、3/11をつらぬくもの」という文章を書いているのを改めて読んだ。

9/11は米国の同時多発テロ(2001)、9/15はリーマンショック(2008)、3/11はフクシマ第一原発事故を指している。

ウォーラーステインを下敷きにして考えている水野さんはこれらを資本主義中枢対周辺の関係の露呈だとする。

資源を奪われ続けてきた中東という周辺からの資本の中枢への攻撃であった9/11、

アメリカという資本の中枢国の中に人為的に作られたサブプライム層という周辺からの略奪が破綻した9/15、

日本という資本の中枢国の中に人為的に作られたフクシマ原発立地という周辺からの収奪が破綻した3/11。

1970年以降、実体経済での利潤獲得に行き詰まった先進国は、金融工学や原子力エネルギー開発という新しい略奪法によってひたすら富の蓄積を継続しようとしたがその失敗はこれらの「歴史における危機」によって明らかになった。

そこまでを読み取って、デヴィッド・ハーヴェイの本にも影響されながら、僕が考えたのは以下のようなことである。

では、実体経済を無視しても富の蓄積を継続しようという運動は終わったのかというとそうではない。

金融工学も、原子力エネルギー追求も続いている。 現在、資本主義中枢の一つである日本で特徴的なのは、国内にもっとたくさんの周辺を作り出すことである。

現在代表的な国内の「周辺」は二つある。 一つは地方で、「衰退する地方へのてこ入れ→道州制」というモデルを作り上げることでなお地方から富を東京に集中させようとしている。

もう一つは、都市部に作り出された「サブプライム層」に相当する非正規・不安定雇用の労働者であり、彼ら、膨大な産業予備軍の生活の支配の中から富を略奪することである。この二つをあわせたものが新自由主義政策に他ならない。

そうした架空の富蓄積がいずれ9/15のように破綻せざるをえないのはもちろんだが、それを回避して生き延びる方法は、支配層自身による猛烈な消費としての世界戦争しか残っていない。これは1929年大恐慌から彼らがすでに学んだことだろう。

そのために軍事基地が集積する沖縄という、もう一つの周辺が拡大しているのである。大都市の貧困層の膨大な集積も兵士予備軍である。

この戦争が、アメリカ、EU、中国、ロシア、インドなどの新旧帝国主義国のどういう対立関係から起こってくるかはもちろん誰も予想できないが、僕たちができることはある。

富の蓄積への固執をやめさせ、中枢ー周辺を人為的に作りだすことをやめさせ、大都市部/地方という枠組みを放棄させて、「地域を拠点にし、できるだけ自己完結型で定常社会を前提にした生き方を実現する」ことである。

最後の「  」は水野和夫さんの文章からの引用。

話が散漫になりすぎたが、民医連がぶつかっている大都市部と地方での運動のあり方の分裂という問題については、それを資本主義の中枢国の新自由主義のなかで追求された「周辺」の創出の二つの類型の結果として統一して捉えることだけは確実にできるのではないかと思う。

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