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2015年2月28日 (土)

2015.2.28 医療生協理事会挨拶 

だいぶ春めいてきて、あちこちで梅の花が咲いている季節になりました。

猛威を振るったインフルエンザとノロウイルスの流行も大体終息し、職員も少し落ち着き、新年度に向かって医療活動の次の飛躍を考えるという余裕が出てきたように思えます。

全国的な情勢の変化は色々あって、話題としての選択に困ります。

当面の統一地方選挙には、私たちの要求を明確にして望みたいと思います。政党とももっとコミュニケーションをよくして、互いの政策の交流を図る必要があると痛感しています。
憲法をめぐる動きがあわただしくなってきました。

資料①は、昨日の朝日新聞ですが、来年夏の参院選挙後に憲法改正の発議をしたい、最初は「憲法って変えられるんだ」程度の改憲案を準備し、国民が憲法改正に慣れたあと、いよいよ9条を変えるという「2段階連続改憲構想」を考えているようです。

これにあわせて、「カウンター9条の会」ともいうべき「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が作られて、資料②のように1000万人署名、全県に「県民の会」を作ると宣言しています。こんなビラが回覧板で回ってくるような事態も考えられると思います。若い人を戦場に追いやる「軍事大国化」をめざす草の根運動です。

9条の会活動を格段に強める必要があります。今年の5月3日を運動の新段階を期す出発の場と位置づけて全国で計画が始まっています。山口でも遅れてはならないと思います。

それと並んで、足元の医療・介護事業の前進の課題も重大な事態を迎えています。

資料③は今年の介護報酬の大幅減額の記事です。
中小の介護事業者はばたばたと閉鎖を迫られ、営利的な業者だけが残り、利用者・家族の困難がさらに深まることは確実です。
介護報酬改定の撤廃、改善を求める「介護保険をよくする県民の会」のような運動を、事業者・利用者の共同で作れないかと、山口県保険医協会などで話し合っていますが、医療生協の各支部でもぜひご議論いただきたいと思っています。

なお、病院経営は全国的に復調しています。資料④は全日本民医連が加盟病院からいくつか抽出して経過を追っているグループの経常利益の推移ですが、2014年度上半期では合計10億円の赤字が、その後第3四半期のうちに5000万円までに減りました。V字回復といってもいい状態ですが、同じ経過を辿った前年2013年に比べると8億7千万円の減益です。
消費税増税による支出増がそのまま数字に現れているわけで、これがどれだけ国民や医療機関からの収奪だったかがわかるものになっています。

医療情勢では、宇部・山陽小野田圏域の救急医療の崩壊が、典型的に現在の医療崩壊の実態を物語っています。
(県主催 「がん緩和ケア医講習会」での私の見聞・・・口頭報告)
(ある大病院の医師大量退職危機・・・口頭報告)
こういう事態の中で、救急隊も患者と病院の板挟みで苦労するということを投げ出しつつあることが伺われることがありました。

つい最近宇部協立病院で経験した高齢者のケースです。
朝、トイレに行ったら顔色が真っ青になり、血圧も下がったので老人施設が救急車を呼び、求めに応じて到着し、患者をストレッチャーに乗せた救急隊が、そのときはすこし自然に回復していた認知症のその患者が「自分はなんともない、病院には行きたくない」と発言したことから、「こういう人をどんな風に言って救急病院に受け入れを依頼しろというのですか。受診の必要があると思うなら自分で病院を探して自力で受診してください」と言い放ち、患者を降ろして去ってしまった。しかたなく、職員が介護タクシーを依頼して来院。全身の浮腫があり、著明な貧血だったので、外来で輸血を始めながら入院となったとのことです。

こういう事態の解決策を考えると、私が以前から考えていたように
①医師を大幅に増員すること、
②そのうえで増員の大半を総合診療医として地域で育てること
しかないように思えます。

地方の大学病院は、大都市部の大病院に伍して領域別専門医養成で競争し、あげくジリ貧に陥るという現状を反省して、幅広い救急や総合診療医養成の実力を養って若手を惹きつけ、集まった若手の医師の勢いで必要な専門医の教授も招聘するという方針に転換するしかないのだと思います。
そうすれば、日本の医療全体の総合診療医不足・領域別専門医偏重という歪みがある程度是正でき、地方の再生にもつながるだろうでしょう。

しかし、そういうことは自然には起きません。その契機を作るのは、やはり民医連の中小病院である宇部協立病院が生き生きと総合診療を救急や在宅を当然含みながら実践している姿を地域に見せることだと思います。

これが、冒頭に申し上げた、「職員も少し落ち着き、新年度に向かって医療活動の次の飛躍を考え始めた」ということだと思います。

資料6は、大阪市の生活保護費支給をプリペイドカード化するという計画がどれだけ人権無視で、生活保護制度を破壊するものかという実態をよく報道していると思えましたので添付したものです。ぜひご覧下さい。

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