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2014年12月 8日 (月)

Translational Medicineとは何か?

多くの人にとっては、何をいまさらと言うような話題だと思うのだが、「Translational Medicine」という言葉を今日、初めて知った。直訳の「翻訳的医療」ではなんのことか分からないのだが。

結論から言うと、医学的なエビデンスを患者や地域のために「翻訳する」、つまり「使えるものにする」ために医療関係者みんなで協力することを言うらしい。

「多職種協働」を県連でどう取り上げるかを調べていて、まず目に付いたのが藤沼康樹先生が、アイオワ大学看護師のローラ・カレン先生の講演を聞いて、多職種協働とはEvidence based practice そのものだと気づいたブログ記事である。
http://fujinumayasuki.hatenablog.com/entry/2014/09/15/151927

アイオワ大学か・・・と呟きながらさらに探していくと「特定非営利法人 疾病管理・地域連携支援センター」というところのサイトにIPW (専門家間の協力)が最も進んでいるのがアイオワ心臓協会だという紹介があるのに出会った。
http://www.redeem21.com/business/ipw_ipf.html

そこで、そのサイトをさらに眺めていると、この法人の理事長は、糖尿病で名を馳せた松岡健平さんで、千葉の医療過疎対策で有名になった平井愛山さんも理事に名を連ねていることが分かった。

しかし、驚いたのは、松岡健平さんがEBMに代わってTran1slational Medicineが次世代の医療形態だとしていることだった。
http://www.redeem21.com/business/message.html

抜粋して引用すると(一部、野田改変)
「EBMに代わって、Translational Medicineが次世代の医療形態とされている。
 EBMは画期的概念であったが、誤解されやすく、これくらい一人歩きした用語も少ない。21世紀に入って、EBMの使い勝手に当惑した医師が、narrativeな要素とのバランスを考慮すべきだ、と主張し始めた。

 Translational Medicine はEBMがリストラ(restructuring)された形態である。
 
Translational Medicineは、”Bench to bedside” (研究室から病室へ)“と ”Bedside to clinical practice(病室から地域への実践)”に分けられる。

臨床に従事する医師、コ・メディカルはエビデンスを患者のために翻訳し、その成果がマニュアルなどとなるが、この作業は後者に入る。
Intelligence(知恵)は practice(実践)から生まれる。

理論を現実の活動に翻訳・橋渡しすることの意味は何より、人種、性、病気による偏見、経済状況、地理的不平等などから来る差別の解消は医療職の使命だという自覚だ。」

 そこでTranlational Medicineを検索すると雑誌も出ているし、カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校の丁寧な紹介ページもある。

このあたりが、多職種協働のコアな部分かなぁと、またもう一つ厄介な宿題を抱えたような気がしながら一日が終わろうとしている。

*その後、日本語で「トランスレーショナル医療」を検索してみると、松岡健平先生のように、「エビデンスと臨床実践の間の多職種協働による橋渡し」という立場で使われていることはほとんどなく、大半は「トランスレーショナル・リサーチ」、言ってみれば、動物を使っての基礎実験と人体での治験との橋渡しという立場でしか論じられていない。
こういう状況では、「トランスレーショナル医療」という用語の使用はやめるか、慎重にした方がいい。
多職種協働のイメージを深めるものとして念頭に置いておくことは有用だが。

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