健康の社会的決定要因としての「交通」を日経新聞が取り上げている。
「健康の社会的決定要因 SDH 確かな事実」(ソリッド・ファクツ)のパンフレット
http://www.tmd.ac.jp/med/hlth/whocc/pdf/solidfacts2nd.pdf
に取り上げられた8個の要因の最後に「交通」が掲げられていたのを覚えている人はいるだろうか。
それを今の日本で実証するような記事が 11月23日日経新聞の1面に掲載されている。
同じ日の朝日新聞の無料低額診療の記事に隠れているが、これも注目すべき記事である。
三重県玉城町が、町内に無料の「元気バス」を走らせたら、町の介護予防事業の参加が4倍に増えた。無料のバスが高齢者の外出を促し、健康維持が確実に進んだ。「バスは無料の方が結局は安上がりだ」というのが町の結論である。
僕は、以前から各地の自治体が公営バスの老人無料制度を廃止する動きに対し、その政策が高齢者の健康にどう影響するかを評価した上で行うべきだし、革新政党もその視点で当局を追及すべきだとと思い、それがなされないのを残念に感じていた。
それが全政策を健康の視点で評価すること(健康影響評価 Health Impact Assessment HIA)の始まりになるのだ。
思わぬところで、それがすでに意識的に実行されていることに大いに元気付けられた。
ただ、問題は、地方ではバスそのものがなくなるということなのだが。
*三重県玉城町の様子は
http://www.nakl.t.u-tokyo.ac.jp/odt/dl/ODTC7/5.pdf
で。
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