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2014年10月20日 (月)

「いつか読書する日」

少し古いが「いつか読書する日」という日本映画があり、僕はとても気に入っているのだが、若い人からは評判が悪いらしい。

主人公の中年女性は仕事を二つ掛け持ち、スーパーのレジ打ちをしながら早朝の牛乳配達をしている。

彼女と子ども時代から心がつながっている男性主人公は彼女の勤める牛乳屋に牛乳を一本だけ注文するということのみで彼女との現実的なつながりを保っている。

彼は毎朝一口だけ牛乳を飲んで残りを捨てる。

これが若い人たちには許せない。「食べ物を粗末にする」映画はだめだ、ということになる。

なぜ、この男性が牛乳不耐症で牛乳が飲めず、それでも一口だけは飲んでおくようにしていると想像できないのだろう。

また、この映画には老人の認知症、児童虐待、シングルマザーの生活困難などが扱われるのだが、これが若い人には「脈絡なしの不幸のてんこ盛り」に映って、適当な不幸を寄せ集めただけ、と言うことになるらしい。

なぜ、貧困な人に不幸が集積していくという社会のメカニズムをそこに読み取れないのだろう。

それはともかくとして、貧しい女性主人公が驚くほどの文学書を買いためていて、いつかそれを心置きなく読む日を希求していることは分かる。

それが僕の希望でもあることに気づいたのは最近である。日々、月々、たまっていく雑誌と本が活かされて、「いつか読書する日」が来るのだろうか。

それは僕なりの貧困の中で見果てぬ夢になるのだろう。
おそらく、この映画もきっとそういう主題を潜めているのである。

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コメント

田中裕子が主人公ですよね
映画を先に見て良かったので本を買って読みました。牛乳をとる事で主人公への気持ちを大切に生きてきている。繋がっていたい気持ちがよくわかりました。黙々と牛乳配達をする姿にもジーンとしました。

投稿: 京都 | 2014年10月21日 (火) 12時26分

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