「アベノミクスと医療改革 (第1回)非営利ホールディングカンパニー 」 キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 松山 幸弘 から抜き書き
「アベノミクスと医療改革
(第1回)非営利ホールディングカンパニー 」 キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 松山 幸弘 から抜き書き
*ア メ リ カ に お け るIHN(Integrated Healthcare Network)・・・統合された大病院チェーン
* IHNにはホールディングカンパニー機能があるも のとないものがある。・・・・子会社を持つものと持たないもの
*非営利IHNのうちホールディングカンパ ニー機能を付与され一般企業同様に多角化による事 業拡大が可能なのは、米国の公益IHNである。
以下に安倍 総理が例としてあげたMayo Clinicもこれである。
安倍首相は、2014年1月22日のダボス会議で日本の首相として初めて基調講演し、「日本にも、Mayo Clinicのような、ホー ルディングカンパニー型の大規模医療法人ができて しかるべきだから、制度を改めるようにと指示をした」と、世界ブランドの医療事業体を創ること を国際公約に近い形で宣言した。
一般企業のホールディングカンパニーには、純粋 型(戦略企画本部機能のみで自らは現業を行わない) と事業兼営型(グループ全体の核になる事業部門を 自らが直接経営、それ以外を子会社に行わせる)の 2種類ある。
非営利ホールディングカンパニーの場合も同じである。一般 企業との違いは、非営利ホールディングカンパ ニーは株式子会社のみでなく非営利子会社もぶら下 げる点にある。
株式子会社は営利目的に医療周辺ビジネスを行 い、非営利子会社は病院や外来施設など医療事業体と しての本業部門を行う役割分担である。
*野田ー営利目的の株式子会社が人材派遣業を行えなば、病院の人材の大半は、その会社の所属ということも可能になるのではないか?
大学から附属病院を分離し民間経営手法を追 求させることで大学より大きな医療事業体を創るこ とは、わが国の国立大学改革と医療産業の国際競争 力強化のためにも有効であり必須要件であると思わ れる。
日本の医療産業の国際競争力向上のための、是非とも医学部設置要件から附属病院をはずす規制 緩和をすることにより、国立大学附属病院が近隣の 国公立病院と経営統合できる道を開くべきである。
国民全体に及ぶ効果の観点からは、国立 大学附属病院が国公立病院と経営統合することで全 国各地に地域包括ケアの中核事業体を構築できる。
世界 標準では、そのようなIHN1個の担当医療圏人口は約100万人、事業規模は 1千億円である。したがって、わが国の場合 約100の中核事業体IHNを創る余地がある。
国立大学附属病院数は45であるから、それ以外のIHNも必要である。聖隷福祉事業 団や長野厚生連は附属病院抜きでその要件をほほ満 たしており、臨床研究・教育機能を高めれば海外の IHNと遜色ない中核事業体になりうる。
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