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2014年5月 8日 (木)

いまの生協の活動は、脳トレをしなかったから認知症になった、健診を受けなかったから病気になって医療費を使った、という自己責任追及を無意識に強化しているだけではないか

今朝の寝覚めが悪いのは、昨夜の医療生協常務理事会での、組合員理事と僕の激論のせいである。
僕も連休中の勤務による疲労の蓄積のせいか、妙に過激になっていた。
話題は、6月の総代会方針についてである。
僕は、今のような生協健康教室や、健診数の追求がほとんど無意味だと断定した。むしろ、やらない方がいい。
理事長がそんなに医療生協活動に対して清算的でいいのかというのが、数人の組合員常務理事の反発である。
だが、認知症予防に科学的根拠があると宣伝してやっている「脳トレ教室」に本当の根拠なんかないだろう。
また、定期受診している人の中の健診受診率がアップするだけのような制度健診数増加などが目標とするべきものなのか。
もっと、気軽にかかれて何でも相談できる場が必要で、はいx線、はい心電図、次は血液検査よ、簡単な聴診で一丁上がり、というような流れ作業の健診なんか、職員の立場として、組合員理事から強制されてやらされたくない。
自分の健診成績表だけじっと眺めるなんて本当に無意味だ。それをネタに茶飲み話が始まれば意味があるが、それでも地域全体を変える行動がなければその場限りの効果だ。
健診をするにしても、何を健診の項目にするかは自分たちで真剣に議論して決まるものだ。
いまの生協の活動は、脳トレをしなかったから認知症になった、健診を受けなかったから病気になって医療費を使った、という自己責任追及を無意識に強化しているだけではないか。
医療生協がそんなことに手を貸してどうする。
必要なのは、健康を決定する要因とはなにか、何が人間が病気にするのかという問題の本質的な理解であり、その根源に対する行動である。
たとえば、喫煙について、なぜ人は喫煙するのかということを突き詰めて考え、組合員が学校に出かけて、生活に根ざした住民しかできない禁煙教育をするということだってできるのではないか。それが医療生協の使命というものだ。

「それが今流行中の健康リテラシーちゅうもんじゃないけ?今のような健診や教室は続けちょし」
実はまだ、自分の頭の中でああでもない、こうでもないと繰り返しているテーマが、ちょうど目の前に来たので、考えている一方だけを思い切り展開してしまったのである。全て、強力な反論が成り立つ話である。
脳トレだって、認知症に対する心配を入り口にして、地域の認知症に対する行動を構築するきっかけになるという反論だって可能だろう。
だが、たかが理事長の言ったことだ。まさか、綸言、汗の如しというわけではない。
次に「この前は 十分考え抜いていないことに意地を張ってごめんなさい」といって、丁寧に資料など見せて一緒に考えればそれで済む。医療生協ってそんなところだろう。

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コメント

先生の見解を断固支持します。「綸言汗の如」く貫徹してください。もっとも、小生は06年10月に生協に加入して以後、総代会がいつあって何が決まったか知らされたことは全くありませんが...

投稿: Tetu Makino | 2014年5月11日 (日) 07時21分

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