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2014年5月15日 (木)

励まされるもの :雑誌「世界」6月号 「『本当の自由』のために闘うーノーム・チョムスキーに聞く」

全日本民医連の会議のため上京する機内で遅ればせながら読んだ。前線のため、窓の外は雲ばかりだったので、誌面に集中することができたが、胸の奥が熱くなる言葉が並んでいた。

*2014/3チョムスキーが訪日した時、堤未果がインタビュー

⚪️私は新自由主義者たちがアダム・スミスを崇拝していることに驚いている。スミスは彼らとは逆で、経済は共感と連帯と相互扶助の精神の元に成り立つと考えていた。新自由主義者たちは保守主義者とは言えない。単なる反動に過ぎないのだ。

⚪️1920年代は現在と状況が酷似し、貧富の差は拡大し、労働運動は撲滅させられていたが、民衆は希望をもち、政権にニューディル政策を実現させ、その状況に終止符を打った。

⚪️今日の人々にそういう姿勢は見られない。そこにあるのは驚くべき敗北主義だ。敵はあまりにも大きく、私たちは手も足も出ないと思い込んでいる。

⚪️マッカーサーが日本の統治に当ったとき、保守主義者であったにもかかわらず、中学2年に学んだ民主主義をそのまま実践しようとした。彼が大学に進学して歪んだ教育を受けていたら、日本の憲法は全く別物になっていただろう。
しかし、ワシントンの政府はマッカーサーの方針を許さなかった。ただちに日本の民主主義の破壊に彼らは乗り出した。
彼らは、ヨーロッパにあっては、ナチスに抵抗したパルチザンの解体を最大のテーマにした。
ワシントンの政府は世界中の民主主義の前進を恐れていたのだ。

⚪️TPPによって、医薬品業界では、過去にも一度もなかったような法外な特許使用料が発生する。もし、英、仏、独が発展途上の時にこんな高額の特許使用料を請求されていたら、いまだ農業国のままだったろう。

⚪️メキシコがある地域を国立公園に指定したら、米国の企業がその土地に行うはずだった投資を妨害しているとして賠償を求めるというのが、NAFTA北米自由貿易協定だ。

⚪️自由貿易という名前は聞こえが良いから付けているだけで、本質は投資家の権利保護条約だ。

⚪️J.Sミルのような本物の古典派自由主義者は、企業はそこで働く人々が支配すべきものだと考え、賃労働は奴隷制だと言っていた。リンカーンもそういうスローガンを掲げていた。

⚪️日本の人々へのメッセージは?と聞かれて: 自由のために闘いなさい。過酷な軍事独裁を倒し、比較的自由なシステムを実現した韓国を見習うべきだ。アメリカでも日本でも自由のために立ち上がることを決して恐れてはならない。大切なのは、誰のための自由なのか、ということだ。

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