青木 薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」講談社現代新書2013/6
原子ほどの大きさだった宇宙がある時急速な膨張をきたし、その後ビッグバンに至ってやがて今の宇宙になった、その最初の急な膨張のあったことがほぼ証明されたというニュースを読んで、ならばどうしていま、僕の前でそのような宇宙の始まりが生じないのだろうと不思議に思って読んでみた本。
実は宇宙は無限にあって、僕たちがいる宇宙は人間を生み、人間が観察できる「たまたまの存在である」というのがこの本の結論。
そのイメージは海原にできる無数の泡だ。泡が一つの宇宙で泡に載った小さな点が僕たちの銀河である。海の中で泡が生まれることが膨張である。できてすぐ消える泡もあれば、長続きする泡もある。それがずっとあちこちで続いている。一つの宇宙をユニバースと呼び、全体はマルチバースと呼ぶしかない。
この宇宙がすぐに収縮しないで長続きして人間を生み、人間から観察され、一定の法則を発見されたように思われるのは、無数にある宇宙のなかで、たまたまそういう宇宙であったからにすぎない。
ただし、その法則が、ほかの宇宙に適用できないかというと、できないという決まりもない。
なんとなく、そうだろうと思わせられる。
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投稿: | 2020年5月23日 (土) 15時44分