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2014年1月31日 (金)

臨床倫理4分割法のQOL領域をケイパビリティに変更する提案

この週末は、全日本民医連の4役会議、そのなかの学習会としての川本隆史東大教授のセンとロールズに関する小講義、同医療倫理委員会、同診療所委員会のため出張した。

飛行機のなかで、川本教授の講演の予習用の資料とあわせてミカ・ヘスター編「病院倫理委員会と倫理コンサルテーション」勁草書房を読んでいると臨床倫理4分割法の改変を思いついた。

臨床倫理4分割法とは医療倫理事例の検討のためのツールで、患者の考える諸問題を医学的適応、患者の選好、患者の生きている環境・人間関係(context)、QOLの4領域に位置付けて考えるというものである。

不幸な一生を送って来た人が火事にあって気道熱傷を負い人工呼吸をしているが、2週間で人工呼吸を離脱できるという見込みが得られた時、血縁者は今まで以上に不幸が約束されているのなら人工呼吸を今すぐ中止して欲しいと申し出て来たというケースを読んでいて、そう思ったのである。

ICUで治療している医師はこれに激しく反発する。彼女の反発を裏付ける理論があるだろうか、と考えたとき、これは静的なQOLという考え方では無理で、未来に開かれて動的なケイパビリティという考え方を導入しなければならないと思った。


患者の過去の生き方や彼を包んでいる社会情勢から生まれてくる、彼の未来の可能性の幅すなわちケイパビリティが拡大するかどうかで、医療上の決断はなされるべきと言えるのではないか。

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