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2013年10月 5日 (土)

全日本民医連学術運動交流集会2日目 SDHセッションの閉会挨拶予定文

学運交 2日目 第3セッション、討論時間があまりにも短かすぎ、その件で手痛い批判もこうむっているのですが、僕の終わりの挨拶予定原稿です。もちろん、これの1/4しか話す時間はなかったのですが。発言したかった皆さんにお詫びします。できましたら、文書発言をお寄せいただければ記録には残せると思います。

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「日本のSDH」セッションに最後までご参加頂きありがとうございます。ごく短い時間でコーディネーターとしてのまとめを行いたいと思います。

◯岸 玲子先生の講演では、非常に大きく深い視野で、日本に住む人々の健康を新しい視点で眺めることができました。

最新の研究成果を聞きますとマイケル・マーモット、イチロー・カワチ、リチャード・ウイルキンソンの研究をそのまま日本にあてはめられないかもしれないとも思えました。

日本社会特有の要因があって、その発見こそが日本の社会の変革の必要性をより強く訴えるということは、私たちに一層の学習を求めるものだと思います。

そのなかで、広くいえば政府機関である日本学術会議が岸先生の尽力で意義深い実践的な二つの報告を出していることを学んだことはもとより、福田報告、和田報告 という比較的若い研究者の仕事に注目するという発言も今後の日本のSDH研究の発展への信頼を高めるものでした。

実は、講演に出てくるSDH研究者福田吉治氏は現在、山口県の山口大学寄付講座の教授として、山口県での医師定着、山口県での総合医の養成ということで山口民医連とも日常的に協力関係があます。

このことはSDHが総合医の活動の必須部分であることから考えると偶然とは思えません。

また、岸先生の先生の講演の結論の一つ、「日本の健康に最も強く影響を与えているのは、労働・雇用問題だ」は、「働くものの医療機関である」という規定を、熱い討論の末に民医連の新綱領に残したことの正しさが改めてあきらかにするものという気もします。

非正規社員、女性労働者の犠牲の上に産業や社会を築いてはならないということを、当事者と専門家が協力して証拠を明らかにして、政府に迫る運動こそが必要だが大事だということが岸先生の講演のもう一つの結論でした。

これはこの学運交の記念講演で高橋哲哉先生が強調した「 犠牲のシステム」を日本からなくすこととまっすぐ通じており、国民の健康から「犠牲のシステム」をなくすことに民医連は来期の方針にもしっかり取り入れて全力あげたいと思います。それは正義や公平の立場に民医連が立つことだと思います。

一つ付け加えれば、上野千鶴子さんが「介護労働者の収入が低いのは、介護が女性の仕事とされているからだ」と発言していることと関連させれば、、民医連の介護ウエーブが日本のジェンダー問題解決の突破点になるだろうということを予言しておきたいと思います。

◯「貧困地域に環境汚染、健康問題が起きる」という高岡 滋先生の講演の冒頭の発言は、亡くなられた原田先生のお言葉ということですが、水俣だけでなく沖縄にも共通することで、その仕事、方法論は、今後大きく活用されると思います。被害住民と医療従事者が一緒になって証拠を作り上げて政府に迫るという結論では、岸先生の結論に一致するものがあります。

その高岡先生の姿勢は特に低線量被曝の問題で活かされて行くとおもえます。高岡先生自身がすでにそのテーマに中心的に関わっています。水俣の経験は、それ自体としてなお世界的に広がって行きつつ、同時に福島原発事故の被曝問題への取り組みとして民医連運動全体のなかであらたに生まれ変わっていくと思えます。

◯ 石川のアザミ 也寸志先生講演と順天堂大学の福田 洋先生の追加発言は「若い世代に合併症の進んだ重症2型糖尿病が増えている」という現場での生々しい気づきに基づいて、それをオール民医連レベルで確認したものでした。
さらに、その背景に若年世代の貧困の広がりを発見する、しかも、それは学歴の低さによるヘルスリテラシーの乏しさと食事スタイルの乱れ、非正規雇用、経済的負担感などに由来する、早期に現れるびっくりするほどの著明な肥満率という現象を介しているという考察は岸先生の示唆に全く一致するものでした。

これを解決しようとする政策は岸先生が示された方向のなかにあり、全日本民医連レベルでの今後の多方面との交流を痛感させられるものでした。
◯短い時間ですので、十分なまとめにはなりませんが、これくらいでコーディネーターとしての発言とさせていただくことにします。

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