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2013年9月27日 (金)

2013年9月28日 医療生協理事会挨拶  

秋晴れのいい天気が続いているなか、理事会参加ご苦労様でございます。

生協強化月間開始直前の理事会ですので、やはりそれが最も重要な議題になるかと思います。

皆さんも気づかれていらっしゃるとは思いますが、仲間増やしの足取りは最近とみに鈍くなっています。

  その最大の理由は、この10年来深まり続けている地域住民の生活上の困難だろうと思います。10年間賃金が下がり続けているなかでの組織活動の難しさは相当深刻なものがあります。

こういう時は、よく考え抜いて、何が突破口になるかを発見する努力が必要かと思います。

 いま、最も重要視しておかなければならないのは今年8月からの生活保護基準の引き下げではないでしょうか。

資料1 201381日のしんぶん赤旗の解説です。

資料2に雑誌「」201310月号 の尾藤廣喜(びとう ひろき)弁護士インタビュー「生活保護改悪攻撃にいかに対抗するか」をそのまま取り上げておきました。若い職員にぜひ読んでほしいからです。

201381日から生活保護基準のかってない引き下げ( 3年かけて平均6.5%、最大10%に達するというもの)が実施されることになって、生活保護受給中の当事者からの発案を尾藤さんたちが後押しして、「1万人の不服申し立て審査請求」が行われています。資料3918日のしんぶん赤旗の記事を取り上げておきました。資料4は、山口県からの審査請求者の声です。特にシングルマザーの家庭が月6640円減って大きな打撃となって困っていることがよくわかります。 

しかし、不服申し立て審査請求自体は、手続き的には結論が見えていると尾藤さんは言っています。これだけの単体の運動に終わっては意味がないのです。

  いま、生活保護受給者たちに対する攻撃は、国民年金受給者とワーキングプアの労働者から最も激しいものがあります。貧困者が見事に分断されているわけです。

実は、マスコミを大動員してこの分断を成功させたからこそ、かってない規模の生活保護基準引き下げが実行可能になったわけでもあります。

だから、この分断を断ち切る運動に生活保護基準引き下げ反対運動がなって行くところに意義があるわけです。

生活保護基準の引き下げは、すぐに最低賃金、子どもの就学援助の切り下げに通じ、そこから始まって、住民税非課税、医療費自己負担限度額、介護保険サービス自己負担限度額、保育料軽減、障害者居宅・通所・入所サービス料、難病患者負担医療費などの基準引き下げへと極めて広範な影響が襲ってくることを知らせる運動にならなくてはなりません。

そして、その次にやってくるものもすでに明示されています。

201386日に発表された社会保障制度国民会議の最終報告は、介護、医療、年金、保育など社会保障のあらゆる面での国民負担強化、給付引き下げを宣言しています。軽度者の介護保険外し、一部の人の介護サービス自己負担2割化などは多くの人に恐怖感を与えています。

まさにいま、日本の社会保障が総攻撃されようとしており、その先駆けが生活保護基準の引き下げなので、生活保護基準引き下げ反対の闘いは重要なのです。

いますべきことは不服申し立ての審査請求をした人達を孤立させず、彼らの声を受け止め拡散することでず。

なお不服申し立てにさえ、行政側は水際作戦を取り、「社会福祉事務所では申したて書を受け取らない、本庁に持っていけ」という態度だったことも尾藤さんは話しています。怒りを感じない人はいないと思います。

尾藤さんのインタビューを読んで、私が強く思ったのは、生活保護受給中で、不服申請に立ち上がった患者さんたちが病院の内外でこのことを訴える集会を開きたい、そして、生活保護受給中の患者さんを中心に「療養条件の困難に苦しみ、みずから改善しようとする患者会」を作りたいということであります。

そう思ったのには少し理由があります。

資料5は、私がこの数年ずっと追求しているSDH(健康の社会的決定要因)の概念図です。

これについて、今まで私は、自分たち医療従事者が患者さんを深く把握するためにあると考えて来ました。

また、健康政策、医療政策を立てる役人たちが学ぶべきものだとも思っていました。

実は、そうではないと最近気づきました。なにより健康を損ない生活に苦しんでいる人たち当事者が、自らの誇りと尊厳を回復し、闘う力に得ていくためのものだと思うのです。

ある看護師さんから聞いたはなしですが、

生活保護受給中で、飲酒が止められず、頻繁に夜間受診を繰り返して外来職員からも不良とレッテルを貼られている患者に対し、その生い立ちや失業の経験を丁寧に聞き、

「そのような人生なら病気にならない方が不思議だ、

そのことは[SDH健康の社会的決定要因]というものの研究で証明されている。

この病気にあなたは何の責任もない。

いつでも受診してよい」

と告げると必ず患者は、「初めてそう言ってもらった」と泣き始めるのだそうです。このときにこそSDHが患者さんの力になり始めているのだと強く感じた次第です。

ともあれ、この秋は生活保護の問題から始めて地域の貧困と向き合うことで、生協強化月間を成功させて行きたいと思います。

*貧困について、もう少し、最近知ったことを追加すれば、地方銀行大手に就職した若い人の話を聞く機会がありました。

その人のいる部署では2年間のうちに同期の6割が主としてメンタル障害でやめたそうです。ものすごい超過勤務を強制されることが原因です。

朝早くから夜遅くまで働いて、申告できる残業の上限は30分、それさえも上司は嫌がるということです。

銀行の正職員になることができた幸運な青年でさえ、そんな危険な崖の淵に立っています。

私たちが構えを大きく持って広く訴えかけて行けば、地域をいくらかなりとも変えて行くことがきっとできると思います。ご奮闘をよろしくお願いします。

さて、常務理事会で話し合って、今回から、理事会の議長をSさん、Oさん、Yさん3人の方で交代しながら務めていただくようにしました。今回Oさんにお願いしております。では熱心なご討議をよろしくお願いします。

 

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