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2013年8月 3日 (土)

健康権、健康戦略、健康の社会的決定要因、ヘルシー・シティ、ヘルス・プロモーティング・ホスピタル、医療の質QIの階層的位置づけ

20世紀の2度にわたる大殺戮は、レーニンの革命を含め、健康権という人権思想を生んだ。
しかし、いくら宣言を重ねても事態は打開できるはずもなかった。

この時、転換点を生み出したのは、アマルティア・センの「目の前の不正議を正すことが正義」だという「社会的選択」論だった。

そこで打ち建てられたのがWHOの「健康戦略」だったが、その第一段階であるプライマリ・ヘルス・ケアは米ソの冷戦で形骸化された。

第二段階はヘルス・プロモーションと名付けられ、直観的に健康を阻害する社会的要因を解決目標として規定したが、おりしも世界中を吹き荒れた新自由主義主義のなかで大きく歪曲される。

健康の自己責任の方が優先され、アメリカの「」ヘルシー・ピープル2000」や、日本の「健康日本21」というまがい物に変わった。

これを本来のヘルス・プロモーションにもどすには、新自由主義を打破する科学的な視点が必要だった。それが、健康の社会的決定要因SDHである。SDHの発見によって、健康戦略と健康権が空想から科学に変わった。第三のヘルス・プロモーション、SDHに基づいたヘルス・プロモーションの誕生である。

これが、21世紀のヘルス・プロモーションである。

すなわち、21世紀のヘルス・プロモーションの本質は新自由主義と自己責任論への対抗軸だということである。

このヘルス・プロモーションは必然的にヘルシー・シティという構想を生んだ。社会を構成する組織群が協力して健康なまちづくりを進めるというものである。民医連の「健康ですみ続けられるまちづくり」もこれの独特な一表現である。

ヘルシーシティを構成する組織群には、ヘルス・プロモーティング・ホスピタルHPH、ヘルス・プロモーティング・スクールHPS、ヘルス・プロモーティング・カンパニーHPCなどがある。

その一方、病院の内部構造に目を向ければHPHとなる病院は、20世紀の医療の変革を十分に自分のものとしていなければならない。

それが、患者中心の医療PCMであり、それは6つの要素(コンポーネント)からなるとされているが、その各々を追求することが医療の質QI活動そのものである。そのなかに、医療安全も、医療倫理、チーム医療も含まれている。

ひたすら散文的だが、民医連のキーワードの間の関係はこのような構造になっている。


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