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2013年7月 5日 (金)

雑誌 文藝別冊「KAWDE夢ムック 井上ひさし」河出書房新社2013年3月・・・中村 哲さんも書いている

加藤周一さんもそうだが、人はなくなって数年してようやく研究の対象となるようだ。

井上ひさし氏が2010年2月に肺癌でなくなって、彼を客観的に語る読み物が今頃からたくさん出てきそうな気がする。

7月5日のしんぶん「赤旗」でも紹介されている菅野昭正(かんのあきまさ)編の「言葉の魔術師 井上ひさし」岩波書店2013年4月もそうだが、これは今日買ったばかりでまだ読み上げていないので、昨日買った上記のみについて触れておく。

初めて知って驚いたこと。

◯ 「父と暮らせば」に2幕目が書かれようとしたこと。
32ページ すまけいはそれを知って、こまつ座をやめた。1幕は完璧だと思っており、これを変える井上ひさしともう一緒にやっていけないと思ったからである。
181ページ しかし、本人にもその思いはあったようで、娘が母となり、息子との二人芝居の中で被爆者の絶望と尊厳を描く予定の2幕目の完成は結局は断念された。

◯中村 哲医師が、2013年2月にジャララバードで書いた追悼の文章がこの号には収録されている。

心打たれるのは次の部分である。

144ページ「心ない人々は、まるで当然のように武力行使を肯定していました。祖国が独立国でないことを改めて思い知りました。」

146ページ「あれだけ叫ばれた『アフガン復興』でしたが、大方の外国救援団体は去り、また、元のように一人ぼっちになってしまいました。こっちが漂流しているのか、日本が漂流しているのか、分からなくなりました。」・・・その孤独を思うと引用していても、涙が出てしまう文章だ。

◯最も驚いたのは関川夏央が記した60ページの条りである。
*ひょっこりひょうたん島は、ひょうたんの形をした小半島にサンデー先生に引率された5人の子供達が遠足に来るところから始まる。突然、ひょうたん火山が爆発、その衝撃で半島は陸地から離れ、漂流が始まるのであるが、不思議なことに、子供達は最後まで親を恋しがることはない。

「井上ひさしははるかのちにだが、親を懐かしがらないのは子ども達がすでに死者だからだ、『ひょうたん島』はこの世の物語ではないのだ、と語った。」

生と死が不分明に連続するのは、井上ひさしが東北の生まれだということとどこか関連している気がする。

それに関連して彼が2011・3・11に立ち会っていたら何を語ったかは、この雑誌に登場する生者たち全員の切実な関心でもあるようだ。

ただ、この雑誌が晩年の井上ひさしにとってもっとも重要だった「九条の会」のことには一切触れいていないのはどうしてだろう?

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